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教師として成長し続けるために―山口ゼミで見つける「探究の種」

教育学部 山口 政之 教授

2026/07/06

20秒でわかるこの記事のポイント
  • 読書や朗読、読み聞かせを通して、学級担任に必要な実践力を育てる山口ゼミ
  • 盲学校での読み聞かせなど、学校現場につながる体験型の学びが充実
  • 子どもたちの反応から、自らの課題となる「探究の種」を見つける
  • ブックトークや読み聞かせなど、本を通して子どもの学びを支える力が身につく

教育学部の山口政之教授のゼミでは、教員に欠かせない読書指導や読み聞かせ、表現力を実践的に学びながら、「学び続ける教師」になるための土台を築いています。今回のゼミでは、探究演習である「盲学校での読み聞かせ」を振り返り、子どもたちの反応から得た気づきを共有しました。

 

「先生になったら、子どもたちにどんな本を紹介したいですか。」

 

本を紹介するということは、ただ自分の好きな本を選ぶことではありません。目の前の子どもたちの年齢や興味、反応を想像しながら、「この本ならどんな表情を見せてくれるだろう」「どんな言葉を届ければ心に残るだろう」と考えることでもあります。その経験を通して学生たちが見つけたのは、山口先生が大切にしている「探究の種」でした。

「教師になってからも学び続ける力」を育てる

山口ゼミは、知識を身につけるだけでなく、将来、小学校の学級担任として子どもたちと向き合う中で、自ら課題を見つけ、考え続け、成長し続けられる教師を育てることを目指しています。その土台となるのが、「読書」と「実践」です。

 

ゼミ生は2年間にわたり、毎週読書報告を行います。本を読んで終わりではなく、内容を要約し、自分が何を学び、何を考えたのかを言葉にする習慣を身につけます。さらに3年次には、朗読検定3級への挑戦や読み聞かせの実践を通して、豊かな音声表現を学びます。また、落語や講談などの伝統芸能に触れたり、国際子ども図書館を訪問したりするなど、大学の授業だけでは得られない体験も数多く取り入れられています。そして4年次後期には、教育実習での経験も踏まえながら、「ブックトーク」のシナリオを作成します。教育実習先の子どもたちを想定し、「どんな本なら興味を持ってくれるだろう」「どんな言葉なら心に届くだろう」と考えながら、朝の会で15分程度実施できる読書活動を企画・実践することが卒業研究です。

※ブックトーク:特定のテーマに沿って数冊の本を選び、関連付けながら順序立てて紹介し、「自分で読んでみたい」という気持ちを引き出す手法

子どもたちの反応から学ぶ

この日のゼミでは、盲学校で行った読み聞かせ活動を振り返りました。学生たちはそれぞれ、『100かいだてのいえ』や『ぼくはブルドーザー』など、自分が選んだ絵本を紹介しながら、実際に読み聞かせをした際の子どもたちの反応を共有していきます。

 

「この場面では、子どもたちが笑ってくれた。」
「思っていた以上に反応が薄かった。」
「予想外の質問が返ってきた。」

 

成功したことだけではなく、思い通りにいかなかったことも率直に話し合います。その発表を受けて、感じたことや気付いたことを共有し合い、さらに山口先生がコメントを加えていきます。

 

「オノマトペが出てくる場面は、実際に声に出して読むと教室がとても盛り上がります。」

「1年生には、聞くだけではなく、一緒に参加できる読み聞かせも効果的ですね。」

 

現場での経験を踏まえたコメントが共有されていきます。教科書だけでは学べない「教師としての視点」が具体的に理解されていく様子が見られました。

課題意識は「探究の種」

山口ゼミが学生たちに求めているのは「上手に読み聞かせができるようになること」ではありません。子どもたちがなぜその反応をしたのか、その理由を考え、次はどうしたらもっと良くなるのかを考え続けることです。山口先生はその課題意識を、「探究の種」と表現します。学生時代に経験した一つひとつの実践から「探究の種」を見つけ、それを忘れずに教師になってからも考え続けることで、やがて「大きな実」になるそうです。

 

「その種は、すぐには花を咲かせません。教師になってからも探究活動を続けることで、実践の知恵という実となり、確かな指導力を身につけていきます。」

 

その言葉を受け、ゼミの最後には学生たちが10分間、それぞれが見つけた「探究の種」を付箋に書き出していました。

 

「どうしたらもっと伝わるだろう。」

「子どもたちは、なぜこんな反応をしたのだろう。」

 

その一枚一枚の付箋には、未来の教師として歩み始めた学生たちの気付きが詰まっていました。

山口 政之 教授

「学び続ける教師」になるために

こうした学びの根底にあるのは、「子どもたちに本を好きになってほしい」という教師の願いです。山口先生自身も小学校教員として教壇に立った経験を持ち、その実践を大学での指導に生かしています。

 

教師の仕事には、正解が一つではない場面が数多くあります。だからこそ、目の前の子どもたちの姿から課題を見つけ、自分なりの答えを探し続ける姿勢が大切です。

 

「教師になってからも新たな課題を見つけ、探究していきましょう。それが学び続ける教師です。」

 

山口先生からの言葉を胸に、学生たちは日々学びを積み重ねています。

山口 政之 教授ってどんな人?

山口先生のご紹介記事はこちら

キラリ☆こども教育学科教員vol.6

山口先生の出前授業の様子

百人一首の出前授業見学

山口ゼミの活動紹介記事(色が変わっているところをタップすると記事に飛べます)

3年前期(国語科指導法ゼミ入門):朗読検定3級受験、伝統芸能のワークショップ、研修「図書館を知る」、演習「読書感想文の指導」、自己紹介ファイル作成など。
2023.12.21  YomuYomu運動表彰・最優秀賞を受賞したゼミ生
2025.12.19  YomuYomu運動表彰・最優秀賞・優秀賞を受賞したゼミ生
2025.4.21  落語を体験的に学ぶ けいあい春風寄席
2026.4.23  けいあい春風寄席 ~教育学部学生が講談を通じて「コミュニケーション術」を学ぶ~

 

3年後期(国語科指導法ゼミ生としての教育実習):国語の授業をしたり、読み聞かせやスピーチを行う。

 

4年前期(探究演習):探求演習「読書バリアフリー」『盲学校で読み聞かせをしよう』
2025.6.11 文学散歩「左千夫プロジェクト」(2025年度の探究演習)
2025.9.10 「左千夫プロジェクト」の出前授業

 

4年後期(卒業研究 ):卒業研究「ブックトークのシナリオ作り」
2017.9.26 朗読検定資格を取得 学生たちが地元小学校で「読み聞かせ」(毎日新聞紹介記事)
2024.2.15 後輩にブックトークの実演

活躍する山口ゼミのOB
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