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2年連続でフィリピンへ 教育学部生が英語で授業に挑み、実感した成長

教育学部 3年(現4年) M・Yさん

2026/04/15

教育学部では、フィリピンの小学校で学生が授業を行うスタディーツアーを実施しています。担当は教育学部の土田雄一教授市川洋子教授です。学生たちは現地の子どもたちと交流しながら、英語で授業を行う実践的な経験を積みます。今回は、昨年に続いて2回目の参加となったMさんに、スタディーツアーでの学びや成長について話を聞きました。

20秒でチェックこの記事のポイント
  • 教育学部のフィリピン研修: 昨年も参加した学生が、将来の教育実習を見据えて「英語による自立した授業づくり」と「実践的な指導力向上」に再挑戦。
  • 「伝わる英語」の発見: 完璧な台本よりも、あえて「シンプルな単語」に絞ることで児童の心と理解を掴めることを実感。
  • 不測の事態を乗り越えた成長: 相方の体調不良により急きょ一人での授業運営を担うも、前日の反省を活かした柔軟な対応で完遂し、適応力を大きく発揮。
  • 手応えとこれからの学び: 担当教授から「自然な英語」を評価され、確かな成長を自信に。教育学部には海外での経験を共有し合う仲間たちがいる。

もう一度参加したいと思った理由

今回、2度目の参加を決めた動機は、「自分で一から授業を作り、英語できちんとした授業をやっておきたい」という強い思いがあったからです。昨年は先輩が主体となって指導案を作ってくれたため、自分でも挑戦してみたいという気持ちが残っていました。また、私は中学校・高等学校英語科の教育実習を控えており、実習では英語で授業をしなければなりません。昨年のフィリピン・スタディーツアーは自分の成長に大きく繋がったので、今年も参加して、経験を積んでおきたいと考えました。もちろん、フィリピンの子供たちが「日本人の先生が来てくれたと」いうだけで喜んでくれて、まるでスターになった気分になれるあの温かい反応をもう一度味わいたいという気持ちもありました。

 

昨年は、自分たちでは完璧だと思って準備していったのにもかかわらず、いざ現地でやってみると英語ということもあって言葉がうまく出てこず、十分に伝わらない「もどかしさ」を感じる場面がありました。帰国後の1年間は、日常生活でも「この日本語は英語でどう言うんだろう」と調べるなど、英語に対する意識を高めてきました。

導入はインパクトが大事

前回は日本文化の「表面的な部分」を紹介する内容にとどまっていたため、今回は2月の「節分」を導入にしながら、日本の食文化へと発展させる、去年よりも学びの深い授業を目指しました。

 

やはり授業では最初のインパクトが大切です。そこで、「日本には悪いものを家に持ち込む『鬼』という怪物がいるんだよ」と伝え、「みんなの家に来たらどう思う?」と問いかけました。子どもたちが「嫌だ!」と反応したところで、実際に教室に鬼を登場させたんです。大豆に見立てたボールをみんなで「鬼は外!」と投げて追い払うパフォーマンスから始めると、子どもたちの心を鷲掴みにすることができました。

寿司屋さんになりきり、日本文化を体感

続けて、節分で紹介した大豆から、しょうゆの話題へと移り、自然な流れで寿司の紹介へとつなげていきました。「どのように食べるのか」「どんな場面で親しまれているのか」まで含めて伝えることで、日本の食文化をより立体的に紹介しようと工夫しました。

 

授業では、カウンター越しに寿司職人が目の前で寿司を握ることや、お店で「へいらっしゃい」と声をかけてお客さんを迎えること、さらに回転寿司では皿が回り、自分の好きなものを選べることなど、日本ならではの特徴を紹介しました。子どもたちに寿司文化をより身近に感じてもらうため、あらかじめ新聞紙の折り紙で寿司職人の帽子を作っておき、子どもたちにかぶってもらいました。児童がお寿司屋さん役、学生がお客さん役となってやり取りをしながら、寿司屋の雰囲気を楽しく体験できるよう工夫しました。帽子は子どもたちにも好評で、休み時間にもかぶったまま校庭で遊ぶ姿が見られたほどです。

 

後半では、「寿司かるた」の活動も実施しました。床に並べた寿司カードを素早く取るゲーム形式で進めたことで、子どもたちは楽しみながら寿司の名前や特徴に親しんでいきました。耳で聞き、目で見て、実際に体を動かしながら参加できる活動だったため、言葉だけでは伝わりにくい部分も自然に理解してくれている様子でした。

英語は、たくさん話すよりシンプルに伝える

一方で、「意外と英語をたくさん話さなくていいんだな」ということに気付きました。今回は前回の反省を踏まえ、「完璧な授業の台本」を作って挑みました。スライドを準備するだけでなく、言葉に詰まらないよう何度もリハーサルを重ねてきました。しかし、そのような準備とは裏腹に、伝えようとして言葉を重ねすぎると、かえって子供たちは静まり返ってしまいました。これは今年の小学校での教育実習でも経験したことです。

 

そこで、説明を一度やめて、大事なところだけをピックアップして単語だけで説明してみたところ、意外にもすんなり理解し、「こういうことなの?」と反応を返してくれるようになりました。児童は少しの指示だけでも自分で考え動いてくれます。言語や文化は違っても、授業の根底にあるものは結局一緒なんだなと強く感じました。

急きょ一人で授業を担当することに

今回の渡航では、計3回の授業を行う機会がありました。学年は毎回異なり、初回は4年生、2回目は5年生、そして最後は1年生から3年生のミックスクラスという構成でした。しかし、ペアを組んでいた相方が初日の授業終了後から体調を崩し、2日目から急きょ二人用の授業を一人用に作り替えなければならなくなりました。もともと役割を完全に分担していたため、相方の台本が分からず焦りましたが、初回の反省を生かして文言を自分なりに簡略化し、2回目、3回目の授業は一人で実践しました。先輩方のサポートもあり、最後までやり抜くことができました。

 

最後の授業を終えた後、土田教授から「去年よりも英語が上手くなったね」「自然に言葉が出るようになったね」と声をかけていただけたことは、何よりも嬉しく、自分が目標としていたことが達成できたと喜びました。昨年に比べ、自分自身の確かな成長を実感できた瞬間でした。

これからの学びと仲間への共有

大学生活も残り1年です。現在取得中の英語の副免許に関する授業がまだ残っているため、そこでの学びに今回のスタディーツアーでの経験を繋げていきたいと考えています。フィリピンでの授業を通じて、「教育の根底にある大事なことは日本も海外も同じである」と実感した一方で、「文化の違いなど、海外だからこそ配慮しなければならないこと」があることも学びました。こうした視点を持って、今後の大学での学びや模擬授業に取り組んでいきたいと思います。

 

また、今回の経験は教育学部の仲間たちとも共有していきたいと考えています。私には入学当初からずっと一緒に過ごしている14人の仲の良い友人がおり、彼らも皆、授業づくりに対して非常に意欲的です。教育実習などの経験を共有し、「自分は現地でこういうことを学んだ」「あそこではこうだった」といった情報交換を日常的に行っています。こうした対話の中で互いに刺激を与え合い、高め合える関係をこれからも続けていきたいです。

【昨年度の様子】フィリピン・スタディツアーで英語授業に挑戦!教育学部の学生たちの成長と発見