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OPEN CAMPUS REPORTS

オープンキャンパスレポート

お金があれば幸せ? 経済学部のミニ体験授業で考える「お金と幸せ」の関係(5/24オープンキャンパス)

経済学部 経済学科 佐々木 英憲 教授

2026/07/01

「お金持ちになりたいですか?」

そう聞かれたら、多くの人が「なりたい」と答えるかもしれません。では、いくらお金があれば満足できるのでしょうか。そして、お金があればあるほど、人は幸せになれるのでしょうか。5月24日のオープンキャンパスでは、経済学部の佐々木英憲教授によるミニ体験授業「お金と幸せとの関係」を開催しました。授業では、金融リテラシーや経済学の考え方を手がかりに、お金との向き合い方や、自分らしい幸せについて考えました。

「お金持ちになりたい」のはなぜ?

授業は、「あなたはお金持ちになりたいですか?」という問いかけから始まりました。働かずに一生遊んで暮らしたいから。欲しいものを自由に買いたいから。将来への不安をなくしたいから。周囲からうらやましいと思われたいから。お金持ちになりたい理由は、人によってさまざまです。確かに、生活するためにはお金が必要です。最低限のお金がなく、貧困の状態にあることは、幸せから遠い状況だといえるでしょう。一方で、戦争や差別、孤独など、お金だけでは解決できない不幸もあります。お金は大切なものですが、それだけで人生の幸せが決まるわけではありません。

 

佐々木先生は、授業の中で「たかがお金、されどお金」という視点を示しました。お金は私たちの暮らしに欠かせないものです。しかし、お金だけを幸せの尺度にしてしまうと、本当に大切なものを見失ってしまうこともあります。

「価格」と「価値」は同じではない

授業で大切なキーワードとして示されたのが、「価格」と「価値」の違いです。価格は、モノやサービスにつけられた金額です。多くの場合、誰が見ても同じ数字で示されます。一方で、価値は人によって異なります。ある人にとっては高価なブランド品が大きな満足をもたらすかもしれませんが、別の人にとっては、家族や友人と過ごす時間の方が大きな幸せにつながるかもしれません。つまり、価格が高いものほど、自分にとって価値が高いとは限らないのです。限られたお金をどのように使い、自分の人生の満足度をどう高めていくのか。それを考えることが、お金と向き合ううえでとても大切になります。

お金は増えるほど幸せも増えるのか

経済学には、「限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則」という考え方があります。たとえば、のどが渇いているときの1杯目の飲み物は、とてもおいしく感じます。しかし、2杯目、3杯目と飲み続けるうちに、追加で得られる満足感は少しずつ小さくなっていきます。佐々木先生は、この考え方をお金に当てはめて紹介しました。収入が低い状態では、お金が増えることで生活の安心感や満足度が大きく高まります。しかし、ある程度の水準を超えると、お金が増えた分だけ幸せも同じように増え続けるとは限りません。年収と満足度の関係にも、同じように「増え方がゆるやかになる」傾向があるとされています。ここから見えてくるのは、「お金の量」と「幸せ」が必ずしも比例するわけではないということです。

 

では、長く続く幸せとは何でしょうか。

 

授業では、他人と比べることで得られる幸せや、モノ・地位による幸せは長続きしにくい一方で、健康、社会とのつながり、自由、愛情、家族など、他人との比較に左右されにくい幸せは持続しやすいという考え方も紹介されました。

本当に欲しいのは「お金」ではなく「幸せ」

佐々木先生は、過去の授業で学生から寄せられた将来への不安にも触れました。

 

「経済的な不安があるから結婚や子どもを持つことを考えられない」
「老後まで前向きに想像できない」

 

こうした声には、現代の若者が抱える不安が表れています。将来を考えるうえで、お金の問題は決して避けて通れません。しかし同時に、「あまりにもお金に縛られすぎていないか」という問いを佐々木先生は投げかけました。お金以外にも、幸せにつながる要素はあります。成長することや感謝すること。前向きに考えること。他人と比べるのではなく、自分らしく自立して生きること。お金や幸せは、誰かから与えられるものではありません。自分と未来を信じ、他人に感謝し、成長し続ける中で、自分自身でつかんでいくものです。授業の最後に示されたメッセージは、とてもシンプルでした。

 

誰でもお金は欲しい。でも、本当に欲しいのはお金そのものではなく、幸せなのではないか。

 

お金は、夢を実現するための手段の一つです。お金持ちになること自体が人生のゴールではありません。だからこそ、投資や資産運用の知識だけでなく、お金に振り回されず、自分にとっての幸せを考えるための正しい金融リテラシーが必要なのです。

高校生からの個別相談を受ける佐々木先生

経済学部で学ぶ「社会をよりよく生きる力」

今回のミニ体験授業は、お金をテーマにしながらも、単なるお金の増やし方を学ぶ授業ではありませんでした。経済学は、社会の仕組みを理解し、自分や周囲の人がよりよく生きるために役立つ学問です。

 

「お金とは何か」
「幸せとは何か」
「自分はどんな人生を送りたいのか」

 

高校生にとっても身近でありながら、すぐには答えの出ない問いに向き合うことで、経済学部での学びの奥深さを感じられる時間となりました。お金と幸せの関係を考えることは、これからの進路や将来の生き方を考えることにもつながります。経済学部での学びは、社会を知るだけでなく、自分自身の未来を考える力も育ててくれます。

7月のオープンキャンパス

■次回は2026年7月12日(日)午前10:00~

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