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【データで分かる敬愛の実力 vol.02】英語が苦手でも大丈夫!国際学部の英語教育は着実に英語力を伸ばします

データで分かる敬愛の実力 vol.02

2024/10/07

敬愛大学の実力をデータで紐解く連載企画「データで分かる敬愛の実力」。今回は国際学部の英語教育に焦点を当てます。学生が受験したTOEIC®のスコアをもとに、国際学部の英語教育によって、どのくらい英語力が向上したのか見ていきましょう。

TOEIC® L&Rはビジネス英語のリスニングとリーディングの能力を測定する試験です。リスニングとリーディング各495点、合計で990点満点の試験で、就職や進学時に英語力を証明するために用いられている国際基準のテストです。TOEIC®を活用している企業が新入社員に求めるスコアは、「英語活用実態調査2019」によると平均で535点です。一方、TOEIC® L&Rを実施・運営するIiBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)は、就職活動中の学生が自己アピールとして使える目標スコアを600点と提示しています。

 

(出典)英語活用実態調査
【企業・団体/ビジネスパーソン】2019より
2442の企業・団体が回答

敬愛大学国際学部の英米語専攻※1では、英語力向上に力を入れています。英語によるコミュニケーション能力を向上させ、英語教員や英語力を生かした仕事への就職を目指す学生が集まっています。英米語専攻の学生は「College English Ⅰ~Ⅳ」の4つの授業が必修であり、それぞれの授業でTOEIC®を受験する機会(費用は大学が負担)があります。そこで、英米語専攻の2018年度および2019年度まで※2の入学生で、4回以上TOEIC® L&Rを受験した日本人学生を対象に、TOEIC®スコアを集計しました。

 

※1:2025年度入学者より英語コミュニケーションコースに改称

※2:2020年度入学生は新型コロナウィルス感染拡大のため、入学時のテストを行えなかったため、今回の集計には用いない

入学時と入学後の最高スコアの比較

1年前期のスコアから平均値が208点も上昇

図1は1年前期の学期末に行われた集計対象者のTOEIC®スコアの平均値と、その後の最高のスコアの平均値を比較したものです。入学時のスコアの平均値は365、1年前期末時点でもおよそ406と高いスコアとは言えませんが、卒業時には平均で約614点と十分に企業が新入社員に求める英語力に達しています。スコアの差はおよそ208点。英語が得意でなくてもTOEIC®スコアが大きく上昇していることが分かります

1年前期のスコア(水色)と4年間の最高スコア(青色)の比較 調査対象者全員がスコアを伸ばしている。

次に、図2の各学生のスコアの伸びを見てみましょう。隣り合う水色と青色が一人分のデータを表しており、1年1学期のスコア(水色)と4年間の最高スコア(青色)を比較しています。集計対象の学生18名の全員がスコアを伸ばしていることが分かります。また、18名の3分の2にあたる12名が企業が新入社員に求めるTOEIC®スコア535点に到達しています。TOEIC® L&Rの実施・運営するIiBCが提示する目標スコア600点に到達した者も10名いました。

最もスコアを伸ばした学生(図2:Rの学生)は425点も上昇しており、4年次には905点に達しました。この学生にはこちらの記事でインタビューをしていますので是非ご一読ください。英語が得意でなくとも敬愛大学で大きくスコアを伸ばすことは決して夢ではありません。

スコアを425点も伸ばしたT. Yさん(2022年度 国際学部卒業)

特にTOEIC®対策に取り組んでいたと考えられるスコア600点に到達した10名のスコアを3年後期まで半期ごとに見てみましょう。図3のように各学期のTOEIC®スコアの平均点の変化をグラフ化しました。グラフを見ると、ほぼ一直線にスコアが伸びていることが分かります。大きくスコアを伸ばした学生たちも、日々の積み重ねで少しずつスコアを伸ばしていったことが分かります。

 

さて、この10名ですが、10名中8名が2019年度入学の学生です。2019年度の入学生には敬愛大学英語教育開発センター長の向後 秀明教授がゼミの指導を担当しており、8名中6名が最終的に向後ゼミに所属していました。向後教授はどのような指導で学生の英語力を高めていったのでしょうか。その秘訣を聞きました。

各学期のTOEIC®スコアの平均値(TOEIC®スコア600点に到達した者)

向後 秀明教授に聞く!英語力の伸ばし方

Q.英語教育における敬愛大学の強みは何ですか

敬愛大学の英語教育では、社会で求められる実践的な英語コミュニケーション能力の育成に力を入れています。そのために、英語の「聞く」「読む」「話す(やり取り)」「話す(発表)」「書く」の5つの領域を、特定のスキルに偏ることなく、バランスよく習得できるようにカリキュラムが設計されています。

 

授業では、日常的・社会的な話題や課題を題材に、聞いたり読んだりして「インプット」したことをフル活用し、話したり書いたりする「アウトプット」に結びつけさせています。代表的な科目として、週2回行われる『College English I・II・III・IV』があります。この科目を中心に、特に1・2年次では多くの英語授業を履修することができます。学生の習熟度に応じてクラスを編成しているため、英語が得意な学生もそうでない学生も、それぞれのレベルに合わせた教材で適切な指導を受けられます。

 

英語ができるようになるかは、英語に触れる量と実際に英語を使う量にほぼ比例します。その量を確保するため、授業に加えてeラーニングを取り入れています。スマートフォンやPCを使って、いつでもどこでも英語学習が可能です。授業とeラーニングの両方を通じて、学生は日常的に英語に触れる時間を増やし、英語力をさらに高めることができます。

向後 秀明 教授(英語教育、英語科指導法、英語教育施策研究が専門)の授業シーン 

Q.TOEIC®スコアを大幅に伸ばすために、どのような指導をしていますか

まず大切なのは、「日々、英語とどのように向き合っているか」「英語が使われる世界にどれくらい身を置いているか」ということです。英語に触れる量と実際に英語を使う量をできるだけ増やすため、授業だけでなく授業外でも、学生と私とのコミュニケーションで用いる言語は英語のみとしています。最初は戸惑う学生もいますが、すぐに慣れて、英語でやり取りすることが自然な状態になります。このことは、学生の英語に対する抵抗感を和らげていると感じています。

 

また、TOEIC L&R®ではリスニング、リーディングそれぞれに出題の特徴があります。この特徴を知って慣れておくことは、スコアの向上につながります。その一助として、本学では前期終了後と後期終了後の年2回、「TOEIC L&R®夏期・春期対策講座」(テキスト代のみで受講料は本学が負担)を開講しています。この講座では、TOEIC L&R®を熟知したプロフェッショナルな外部講師による指導を受けることができ、参加した学生の多くは短期間で大きくスコアを伸ばしています。

Q.どのように学生の英語学習のモチベーションを上げているのですか

「英語でのコミュニケーションは楽しい」と感じてもらえるように、リラックスした雰囲気の中で、教員と学生、そして学生同士の英語によるやり取りを中心とした指導を心がけています。そのため、私が一方的に講義する場面はほとんどありません。同時に、外国語学習では何度も誤りや失敗を繰り返すことが次のステップにつながっていきます。言い換えれば、「誤り無くして上達なし」です。学生には、Love your mistakes. This is the place where you SHOULD make mistakes. Making mistakes is a passport to a new discovery.”ということを伝えています。 また、授業ごとに座席を変えていますので、固定した相手ではなく、毎回違ったパートナーやグループのメンバーと活動して、クラスの全員とコミュニケーションを楽しむことができるようにしています。

 

さらに、私が学生の評価で気を付けていることの1つは、「できなかったことに目を向ける」のではなく、「何ができるようになったか」に注目するということです。評価の本質は他者との比較ではなく、過去の自分との比較ですから。 最後に余談ですが、敬愛大学での授業は本当に楽しいです。学生の英語学習に対するモチベーションを上げることが私の大きな責務ですが、実際は、私が学生から教員としてのモチベーションを引き上げてもらっているとも感じています。

向後教授のゼミ生4名が2025年度教員採用試験を受験し、全員が現役合格!(高校英語2名,中学校英語2名) シリーズ「データで分かる敬愛大学の実力」