滝川先生のゼミや専門分野について教えてください
私のゼミでは、全員で日本史(戦国時代)の1冊の本を読み込んだうえで、輪番制で発表者を決めてその内容を要約したり疑問点をあげ、それについて全体討議するなかで、歴史的思考力をつけることをめざしています。
日本中世史、なかでも戦国時代の関東の政治・流通経済史を専門としますが、さらに絞れば、当時房総に存在した戦国大名里見氏について長年研究しています。「南総里見八犬伝」で一般によく知られる里見氏ですが、その実像は、残された史料の少なさもあって謎の部分が多い存在です。ただ近年、北条氏や上杉氏といった里見氏と深く関わった戦国大名の史料の掘り起こしと研究が急速に進み、里見氏についても従来にはなかった新たな視点で考えられる環境が整ってきました。また一緒に里見氏について勉強する仲間(里見氏研究会)も増えてきたので、それらをもとに、新たな里見氏像を作り上げることを目指しています。
里見氏の魅力とは?なぜ研究対象に里見氏を選んだのか教えてください
安房という小さな国を本国とする大名でありながら、上杉謙信・武田信玄・北条氏康といった名だたる戦国大名と対等に戦っていた大名であること。また清和源氏の末裔という名門の血筋を誇りながら、一方で海賊衆、いわば海の強盗集団を率いて今の東京湾を支配していたという二面性が魅力です。もっといえば、あまり強くないところ(笑)。「歴史は変えられないけど応援したくなる」といったファン心理をかき立てられます。私は里見氏最後の本拠地である千葉県館山市で生まれ育ったので、自然と里見氏が好きになりました。
先生のこれまでのことについて教えてください
千葉県公立高等学校の社会(地歴)科の教員を務め、日本史という教科の楽しさや担任を通じて多くの生徒と関わってきました。またその一方で、千葉県・県内市町村の中世(戦国時代)の歴史を明らかにするような仕事をこれまで継続的にしていました。具体的には、地域の歴史を本にまとめることや、各地で一般の人たちを対象に講演や講座を実施し、戦国時代の房総の歴史やその魅力を伝える役割を担ってきました。
日本史概論の授業の様子 「なぜ?」を突き詰め、学生に考えさせる授業を展開
受験生にメッセージをお願いします
学ぶことの楽しさ・好きな学問対象を、なんでもでもいいから見つけてください。そうすると、そのものについては受け身ではなく、自分から進んで取り組めるようになります。そしてそれは、必ず君たちの一生の財産になります。
もうはっきり目標のある人や、今はまだはっきりしないけど何かをみつけて頑張りたい人も、落ち着いた環境の中で学べる敬愛大学へぜひきてください。
経済学科について詳しく知りたい!