教育学部 阿部准教授の授業「こどものキャリア教育と企業」では、学校現場でのキャリア教育(職業調べや職場体験など)のあり方について学んでいます。社会が急激に変化しつつある中、子どもたちへのキャリア教育はこれまで通りで良いのでしょうか。
6月17日(金)から3回にわたり、普段なかなか会うことができない業界の方をゲストに招きお話を聴きます。初回は「B to Bの仕事を知る」をテーマに、某プロ野球球団から大髙 健氏をお招きしました。
B to Bとは何でしょうか。主に取引相手が法人である企業をB to B(Business to Business)企業と言います。反対に、主に消費者を相手に事業を展開する企業をB to C(Business to Consumer, Business to Customer)企業と言います。プロ野球球団は野球観戦のチケット収入やグッズ販売で成り立つB to C企業と思われる方が多いと思いますが、実は権利収入や広告収入が大半を占めるB to B企業の一面を持っています。
大髙氏の所属するプロ野球球団の営業部では、ライツ(rights)=権利を法人に提供することで利益を出しています。代表的なのが放映権です。放映権を買った企業は試合などをテレビ等で放映できます。この放映権収入は好調で、会社の経営やチームの運営に貢献しています。
その他、プロ野球を題材にしたゲームや、カード付ポテトチップスなど、様々な業界に選手の肖像権などを提供することで利益を得ています。
大髙氏(左)と教育学部 阿部 准教授(右)
プロ野球球団は比較的小さな組織で運営されているとのことですが、1試合につき球場で働く人数はとても大規模になります。選手や球団職員以外にも、広告代理店やマスコミ、飲食店、スカウト、医療職など、多種多様な業種の方が働いています。
男子小学生に将来就きたい職業を聴くと、プロ野球選手が依然根強い人気がありますが、プロ野球選手になれるのはごく一握り。大髙氏は「もし夢破れても、野球には様々な職業が関わっていることを小学生にも知ってほしい」と言います。
一方、B to B企業は教員側でも認知度が低く、学校現場でのキャリア教育はB to C企業が中心です。教育学部の学生は「小学生の頃は消費者としての立場でしか職業を理解できていなかったと思う。B to B企業と関わる機会はなかったのではないか」と意見を述べていました。どうしたら多様な仕事があることを子どもたちに教えられるか。小学校教員を目指す学生にとって1つの研究テーマになりそうですね。
2回目となる6月24日(金)には、IT企業の株式会社イノビオットから福田社長をお招きします。