- 児童相談所は、様々な事情を抱える子どもや家庭を支える機関である。
- 講話では、児童相談所の役割や子どもたちを支える仕事について学んだ。
- 児童相談所では、児童福祉司や心理士などの専門職がチームで支援を行っている。
- 子どもにとって学校が安心できる場所であることの大切さを感じた。
- 一人ひとりの背景を理解し、信頼関係を大切にしたいと考えるきっかけになった。
20秒でわかるこの記事のポイント
第5回は、千葉市こども未来局こども未来部に所属する西部児童相談所の桐岡真佐子所長をお招きし、児童相談所についてのご講話をうかがいました。桐岡所長は臨床心理士資格を持ちつつ、児童相談のお仕事に数十年間、携わってきた専門の職員です。ふだんの大学の授業では、児童相談所のお仕事や子どもの実態について知ることは少なく、学生にとっては貴重な学びの機会となりました。今回も学生にレポートを書いてもらいました。
受講した学生のことば―児童相談所の役割から考える子どもへの支援
子どもを支える児童相談所の仕事
今回は千葉市役所こども未来局こども未来部の桐岡真佐子西部児童相談所長先生のご講話でした。
私の児童相談所のイメージは、虐待を受けた子どもたちが集まる場所というイメージがありました。しかし、今回の桐岡先生のお話を聞いて、児童相談所へのイメージが変わりました。困難な状況にある子どもたちとは、児童虐待、非行、ヤングケアラーなど、虐待だけでないことが分かりました。また、虐待や育児放棄などのように、子どもたちに危険が及ぶ状況以外にも、ひとり親家庭で親が入院してしまったり、保護者が不在になったりして、育ててくれる人がいなくなった子どもたちも児童相談所に来る対象になるということです。
そこで、困難な状況にある子どもにとって、学校の役割はとても重要になるということ、学校は育ちの場であり、また、家庭で安心しづらい状況にあっても、学校は温かく安心できる場所でなければならないというお話しでした。

多様な相談に向き合う専門職のチーム支援
児童相談所に相談に来る内容は様々あるそうです。一つ目は育児困難・虐待・里親などの養護相談、二つ目は虚弱児の保健相談、三つ目は言語発達・知覚障害等の障害相談、四つ目は虞犯・触法(※)などの非行相談、五つ目は性格相談・不登校などの育成相談です。令和六年度の相談状況としては、養護相談が半分以上を占め、次に多いのが障害相談だそうです。
児童相談所は施設を運営している人だけだと思っていましたが、福祉司・心理士・保護所職員・弁護士・警察OBなど様々な分野の人たちが集まって、チーム体制でやっているということが分かりました。このことからも、児童相談所では様々な困難な状況にある子どもたちがいるということが分かりました。家庭で起きる児童虐待の種類として、身体的・心理的・ネグレクト・性的の四つがあるそうです。その中で最も多いのが心理的虐待だということで、私は身体的虐待が一番多いと思っていたので意外でした。
心理的虐待とは、家庭内での強い叱責や兄弟間の扱いの違い、保護者同士の言い争いを見聞きすることなど、家庭内で起きる何気ない出来事が子どもにとってプレッシャーになり、ストレスになって心理的に不安な状態になることだそうです。
※ 虞犯(ぐはん)とは、まだ犯罪には至っていないものの、生活状況や行動などから、今後非行につながるおそれがある状態のことです。触法(しょくほう)とは、刑法などの法律に違反する行為をした場合を指します。
信頼関係が子どもの安心につながる
私は今回のお話を聞いて、教員になったときに子どもたちとの信頼関係を大切にしていきたいと強く感じました。子どもたちは虐待をはじめとする、その他の心配事など、本当に信頼できる大人にしか話さないこともあり、隠そうとすることが多い、と桐岡先生はおっしゃっていました。
学校は子どもたちが成長するうえでたくさんの時間を費やす場所です。そんな学校で信頼関係を築くことができなかったら、子どもたちは一人で苦しんでしまうかもしれません。桐岡先生のお話もあったように、クラスに30人以上いて一人ひとりそれぞれ事情や背景が違うということを十分理解していきたいと思いました。

