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実在する企業の課題に挑む。佐竹ゼミで「KEIAIコンサル体験プログラム」が始動

経営学科 教授 佐竹 恒彦 × 千葉県中小企業診断士協会 理事 日下 正浩

2026/04/28

経済学部経営学科の2年次佐竹ゼミで、「KEIAIコンサル体験プログラム」が始まりました。学生が実際の企業の課題に向き合い、企業調査、経営者へのヒアリング、事業計画の検討、提案発表までを体験する実践的なプログラムです。

20秒でわかるこの記事のポイント
  • 佐竹ゼミで、実在する企業に事業提案する「KEIAIコンサル体験プログラム」が始動
  • 学生は株式会社たむらを題材に、企業調査、ヒアリング、事業計画の検討に取り組む
  • コンサルタントの仕事を通じて、数字で説明する力、仮説を立てる力、提案する力を学ぶ
  • ゼミで培う探究の力を、社会で求められる実践力へと発展させるプログラム

実在する企業への提案を通じて、経営を考える力を育てる

このプログラムの狙いは、学生が自分たちなりの仮説を立て、必要な情報を集め、相手にとって価値のある提案を考える力を身につけることです。佐竹ゼミには、将来起業したい、自分の店を持ちたい、経済的に成功したいといった目標を持つ学生が集まっています。今回のプログラムは、そうした学生が企業経営の現場に課題に触れ、自分の将来を考える機会にもなっています。

 

今年度のコンサルティング対象は、千葉県を中心に中学校・高校の制服を販売する株式会社たむらです。同社は松戸市に本社を置き、ショッピングモールなどに店舗を展開する地域密着型の企業です。今後、佐竹ゼミの学生たちは同社について調査し、社長から事業の現状や課題を聞いたうえで、チームごとに事業計画を検討します。最終的には、同社に向けて事業提案を発表する予定です。

チームごとに自己紹介。自分の特技や趣味を生かし、どのようにチームに貢献できるかを共有しました。

現役コンサルタントから、企業を見る視点を学ぶ

4月22日(水)、初回の授業では、千葉県中小企業診断士協会理事の日下 正浩 氏が、経営コンサルタントの仕事について説明しました。特に今回のプログラムで行うような「経営計画」では、会社の概要、業績の推移、財務の現状分析、収益計画などを整理し、30ページほどの資料にまとめることもあるといいます。単にアイデアを出す仕事ではなく、企業の現状を数字で捉え、課題を分析し、将来の計画として相手に伝わる形に整理する力が求められます。

 

しかし、どのように経営戦略を立てればいいのでしょうか。日下氏は、経営戦略を「限られた資源を勝てる場所に集中させる意思決定」と定義しました。企業には、人材、設備、資金、情報といった経営資源があります。しかし、それらは無限ではありません。だからこそ、どこに力を注げば企業の強みを生かせるのかを見極めることが重要です。学生は、株式会社たむらの事業を題材に、限られた経営資源をどこに集中すればよいのかを考えていかなければなりません。

 

日下氏は、今回の提案づくりについて、決まった正解があるわけではないと説明しました。このプログラムは、正解を知っている講師が道を示し、学生がそれをなぞる授業ではありません。学生自身が調べ、仮説を立て、企業へのヒアリングを通じて情報を集めながら、提案を磨いていきます。最初から完璧な提案を目指すのではなく、考えを形にし、フィードバックを受けながら改善していくことで、ホンモノのコンサルタントに近い体験ができるのです。

経営コンサルタントの日下 正浩 氏

仮説を立て、調べ、聞く。ゼミの学びを提案力へつなげる

授業の後半では、株式会社たむらが抱える課題についてチームごとに仮説を立てるワークに取り組みました。学生は、同社の強み、想定される課題、制服販売を取り巻く外部環境について意見を出し合いました。少子化による制服需要の変化、材料費や人件費の上昇、地域に根ざした店舗展開の強みなど、事業計画を考えるうえで必要な視点を整理しましたが、まだまだ深掘りが必要です。

 

次回までの課題として、学生は株式会社たむらの企業情報、店舗がある地域の人口動態、制服業界を取り巻く環境、材料費や人件費の動向を調べます。そのうえで、社長に聞きたい質問を各自5つ考えます。事前に仮説を持って質問を準備することで、聞き取りの質を高められるのです。

 

コンサルタントの仕事は、ゼミや卒業研究で培う探究の姿勢とも深くつながっています。ゼミや卒業研究では、自分で問いを立て、情報を集め、データを用いて分析し、考察をまとめ、発表します。コンサルタントの仕事も同じように、企業の課題を見つけ、必要な情報を調べ、ヒアリングを通じて仮説を検証し、相手に伝わる形で提案をまとめます。このプログラムは、ゼミで培う学びを、社会で求められる提案力へと発展させる実践の場となるのです。