9月30日、経済学部経営学科の佐竹恒彦教授の2年次ゼミで、今年度の「KEIAI起業体験プログラム」が始まりました。学生たちは模擬会社「株式会社敬愛メディアサービス(KMS)」を設立。代表取締役社長に選ばれた経営学科2年のI・Mさんが、東京証券取引所の担当者や教員、学生を前に事業計画を発表しました。
取り組むのは、2年前に先輩学生たちが立ち上げた、学内デジタルサイネージを使って千葉県内企業の魅力を学生へ伝える事業です。会社設立にあたり、I社長は、「大勢の前で話す機会は今まであまりなかった」と緊張を見せつつも、「これからの4か月間、頑張っていきたい」と決意を述べました。
営業、制作、財務・会計など、それぞれの役割を担う学生たちの会社経営がここから始まります。
ARTICLE SUMMARY
この記事のポイント
- 学生が模擬会社を設立し、営業・制作・財務・会計などの役割を担いながら会社経営に挑戦する
- 実際の企業と関わる経験を通じて、自ら課題を見つけ、考え、行動する力を身につける
- 佐竹恒彦教授は、学生一人ひとりが主体的に動く「新幹線型」の組織への成長を期待している
今年で3年目となる「KEIAI起業体験プログラム」 佐竹教授にインタビュー
自分で問いを立てられる学生を育てたい
このプログラムを始めたきっかけの一つが、とある中高一貫校で行われていた起業体験でした。生徒が自分たちで会社をつくり、企業と関わりながら事業を進める。その取り組みを知って、「経営学科でもやってみたい」と思いました。東京証券取引所にも協力を求めることで、より本物に近い、株式会社の起業体験を2024年度から始めました。
大切にしているのは、誰かから与えられた問題に答える受け身な姿勢ではなく、自分で壁にぶつかっては問いを立てる姿勢です。「何が問題なのか」「どうすればいいのか」を自分で考えて動く。そうしたアントレプレナーシップ※は、将来起業するかどうかに関係なく必要な力だと考えています。
※アントレプレナーシップ(起業家精神):新しい価値を生み出すために、自ら考え、挑戦し、行動する姿勢。
学生の姿勢が「ガラッと変わった」
一昨年と昨年に参加した学生たちは、起業体験を通じてゼミへの取り組みがガラッと変わりました。まず、欠席する学生がほとんどいなくなりました。前期と後期では全く違う、と感じるほどの行動の変化がありました。
実際のお金を扱う経験は、座学や机上の話とは違います。私に叱られながらも、学生たちは頑張ってくれました。初年度の学生たちは今では4年生です。今年度も声をかけると、自主的に2年次ゼミへ自らの経験を語りに来てくれました。一緒にやってくれた学生たちには、本当にありがたいという気持ちがあります。キャンパスで会っても、どこか「同志」に近い感覚があります。
今年の学生も真剣な表情
失敗してはじめて学べることもある
企業と実際に関わると、教室では見えなかったことも出てきます。訪問するときの服装、名刺交換、メールの書き方。社会人には当たり前でも、学生は経験して初めて気付くことがあります。
失敗はしていいと思っています。失敗して、「なぜうまくいかなかったのか」を考えれば次につながる。極端に言えば、事業が赤字でもいい。そこから何を学ぶかの方が大切です。
ただ、個人情報の流出や、契約、コンプライアンスなど、取り返しのつかない問題は別です。そこは教員が関わります。学生に任せるところと、教員が責任を持って安全を守るところ。その線引きは必要です。
学生に挑戦を促す佐竹 恒彦 教授
「機関車型」から「新幹線型」の組織へ
学生たちは、今はまだ私からの指示を待って動くところがあります。いわば、先頭の一人が引っ張り、後ろがついていく「機関車型」です。目指しているのは、一人ひとりが自分の動力を持って動く「新幹線型」の組織です。
「これ、どうする?」「話し合おうよ」「一回これで試してみよう」と、学生たち自身が声を上げる。話し合って合意をつくり、実行し、その結果をみんなで共有して次に生かす。この一連のプロセスを、私が導かなくなくても進められるようになってほしいと思っています。
これからの4か月で、学生たちが主体的に動くようになり、「機関車型」から「新幹線型」へ変わっていけるか。そこを一番期待しています。
取材・制作:敬愛人編集部/監修:経営学科佐竹恒彦教授
【昨年度の様子】ホンモノに近い起業体験を大学で——佐竹ゼミ「起業体験プログラム」の成果
実在する企業の課題に挑む。佐竹ゼミで「KEIAIコンサル体験プログラム」が始動