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OPEN CAMPUS REPORTS

オープンキャンパスレポート

学生執筆

教育学部オープンキャンパス体験授業(学生リレーレポート)Vol.7―「古典の面白さはどこにある?」

教育学部1年 C. N. さん 千葉県立津田沼高校出身

2026/08/28

2026年8月23日(日)、教育学部こども教育学科のオープンキャンパスに、学生運営スタッフとして参加し、高校生を対象とした畑中千晶教授の古典のミニ体験授業を見学、体験しました。ふだんは大学生として授業を受けていますが、今回は高校生を迎える側として参加したので、授業の内容だけでなく、どのような流れで高校生を授業に引き込んでいくのか、また、将来小学校教員を目指す自分にとって、どのような授業づくりが参考になるのかという視点をもって臨みました。

ファンタジーの世界への入口

ミニ体験授業は最初に全員が目を閉じ、「不思議な地下鉄」というテーマを提示されたところから始まりました。「地下鉄に乗ったら、あたりがまぶしく光った。その後どうなるか」という問いについて30秒間考え、その後まわりの人と考えを共有しました。いきなり古典文学の説明を始めるのではなく、まず自分で想像し、他者と考えを共有することで、自然に授業に入り込める導入になっていました。

 

その後に、日常の中にファンタジーの世界への扉が開かれていく物語を「エブリデイ・マジック」と呼ぶということを学びました。『アリエッティ』や『不思議の国のアリス』などを例としてあげながら、古典文学である『竹取物語』も、同じように捉えられるのだということが説明されました。

こどもにとっての古典との出会い

『竹取物語』では、翁が仕事として竹を切っているという日常の中で、かぐや姫が現れます。つまり、翁にとっては職場である日常の世界に、不思議な存在が突如現れるのです。ふだん、古典文学をファンタジーとして考えることはなかったので、この見方は新鮮でした。

 

また、古典を音読することによって、文法を正確に理解するだけではなく、言葉の響きや心地よさを感じられるという話も印象に残りました。小学校では古典文法を正確に学ぶのではなく、現在の日本語と同じところや違うところを、実際に発音しながら感じ取ったり、物語のどこに心がひかれたのかという視点から鑑賞し合ったりするという点からも、子どもたちにとっての古典との出会い方について考えることができました。

物語を比べて読むという視点

さらに、畑中先生のゼミの学生が『竹取物語』や『かぐや姫』など、さまざまなタイトルで出版されている13冊の絵本を比較した結果を見せてくれました。同じ物語をもとにしていても、五人の貴公子が登場する順番や結末などが異なっています。過去の作品を現代語訳し、絵を加えて絵本にすることによって、ひとつの物語からでもたくさんの新たな表現が生まれるということが分かりました。

 

特に興味深かったのは、「行って帰ってくる話」という物語の形についてでした。『浦島太郎』や『不思議の国のアリス』、『千と千尋の神隠し』など、多くの物語では現実から異世界へ行き、そこで変化や成長を経験して現実へ戻ってくる。しかし、『竹取物語』では、かぐや姫が異世界から現実へ来て、最後にまた異世界へ帰っていくという逆の構成になっている。人間の世界で人間の心を身につけたかぐや姫が、羽衣によってその心をリセットされることや、「限りある命」と「不死」という対比について考えることがき、昔の物語から人間の生き方や考え方についても考えさせられるということに気づかされました。

 

 

対話を始める前に、1分間黙って作品を見る時間が設けられていたことも印象的でした。この時間があることで、じっくり作品と向き合うことができました。これらの活動を通し、対話型鑑賞とは1人で作品と向き合うことと、他者と意見を交換する時間のメリハリがあるからこそ、より深い鑑賞につながるのだということを学びました。

授業づくりとして学んだこと

今回スタッフとして参加したことで、授業では「何を教えるか」だけでなく、「どのように興味を持たせ、どのように考えさせるか」が重要だと感じました。特に、身近な「不思議」を入り口にして古典へとつなげたり、絵本を比較したりする工夫は、小学校の授業づくりにもつながると考えます。

 

将来、小学校教員になった際には、知識を一方的に伝えるのではなく、こども自身が興味や疑問を持ち、友達と考えを共有しながら学びを深められる授業をつくりたいと思いました。また、今回、畑中先生が示された「学問と創作は緩やかにつながる」という考えを大切にし、既にある作品を学ぶだけでなく、そこから新しい見方や表現を生み出せるような学びを大切にしたいと考えました。

教育学部 2026年度オープンキャンパスプログラム