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大塚先生の算数体験ワークショップ ~ゲーム・工作で探る数と形の不思議~

教育学部 大塚 慎太郎 准教授 

2024/08/02

教育学部の大塚慎太郎准教授(専門:数学教育、小学校算数科教育)と教育学部の4年生が夏休みの公開講座を開催しました。小学校の中学年から高学年向けに企画されたこのワークショップでは、児童や保護者がゲームや工作を通じて数と形の不思議を体験できます。45分間のセッションを2回に分けて実施し、前半は「数あてゲーム」、後半は「万華鏡作り」を行いました。

  • 子どもたちに自己紹介をする大塚先生

  • 参加した大塚ゼミの4年生

前半:数あてゲーム

ワークショップの前半では、「誕生日を当てる数あてゲーム」が行われました。子どもたちのグループにはAからEまでの5つのカードが配られ、それぞれのカードには4行4列で16個の数字が書かれています。まず、子どもたちは自分の誕生月と日付が含まれているカードはどれなのかを知らせて、その情報をもとに学生が誕生日を当てます。子どもたちの誕生日を当てた後にタネ明かしを行い、今度は子どもたち自身が家族や友達の誕生日を当てる体験をしました。

このゲームのルールは、実は二進法を利用しています。「どうして誕生日が当てられるのか?」という疑問に対し、学生たちが数の仕組みをわかりやすく解説しました。子どもたちは興味津々で耳を傾け、自分たちでも挑戦し、ゲームの魅力を存分に楽しんでいました。

  • 質問にはたくさん手が上がりました

  • 子どもたちにタネ明かしをする学生

後半:万華鏡を作ろう!

ワークショップの後半は、「万華鏡作り」がテーマです。まずは万華鏡の歴史に関するクイズをいくつか出題すると、子どもたちは元気に挙手して回答していました。その後で、万華鏡を覗くとどうして図形が多様に見えるのか、その仕組みについても解説しました。万華鏡の内部は三角形になっているものが一般的ですが、中には正方形のものあり、それぞれの特徴について動画を用いて詳しく紹介しました。

  • 万華鏡に関するクイズを出題

  • 作り方を説明する学生

続いては実際に万華鏡を制作する時間です。今回は内部が三角形のものを作りました。鉛筆、のり、テープ、折り紙、ビーズなどの材料を使って、学生の指導のもとで万華鏡を制作しました。三角形の枠の中に左右非対称の絵を描くと、万華鏡を回転させたときに形の変化が分かりやすくなるというアドバイスを聴いた子どもたちは、それぞれに工夫を凝らしてオリジナルの万華鏡を完成させました。

 

最後は完成した万華鏡を何人かが披露し、その中を覗いて楽しむ時間もありました。

  • 真剣な表情で工作に取り組む子どもたち

  • 出来上がった万華鏡の内部をみんなに紹介!

振り返りの時間

ワークショップの最後には振り返りの時間が設けられました。大塚先生は子どもたちに「今日、疑問に思ったことは何かありますか?」と問いかけました。子どもたちからは、「三角形の中に図形が永遠に続いて行くのはなんでなんだろうと思った」などの意見が出ました。大塚先生は、「その疑問を大切にして、なぜそうなるのかを自分で調べ、考えていってください」と語りました。また、三角形以外の万華鏡も作ってみてほしいと勧め、内側の鏡をどのように組み合わせるとどんな形ができるのか、思い描いた形を作るためにはどうすればよいか、といった探究を楽しむことの大切さを共有しました。

  • 子どもたちと積極的にコミュニケーションをとります

  • 万華鏡の制作に使ったカラフルな折り紙

大塚先生から

今回の簡単なゲームや身近な工作が、「二進法」や「図形の対称性」など、中学校で学び始める「数学」の内容とつながっていくきっかけになればと思っています。また、数や図形に関する「問い」が生まれた場合、それを自由研究や探究のテーマとして学び深めていってくれることを期待しています。

 

大学生たちは休憩時間も積極的に子どもたちとコミュニケーションを取り、交流を深めました。子どもたちからは「楽しかった!」という声が口々に上がりました。ゲームや工作を通じて数と形の不思議に触れることで、算数への興味を深めることができたことと思います。教育学部ではこのような取り組みを通じて、学生が子どもたちと交流する場を提供し、実践的な学びを推進していきます。

  • 万華鏡内部の鏡が完成!嬉しい!

  • 私たちも良い経験になりました!

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