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経済学科ゼミ紹介vol.06

経済学部 経済学科 星野 智樹 准教授

2023/11/30

ゼミではどのような活動をしていますか

ゼミのテーマは、「歴史から見る世界経済」です。特に、現代経済への道のりを意識しながら、経済の歴史的な変遷や転換点を中心に研究します。

例年、2年生の間は、安く読みやすく勉強になる本として、岩波ジュニア新書の『砂糖の世界史』と『食べものから学ぶ世界史』を読解しました。読解を通じて、日常生活でも見かけるモノに注目して、世界経済が創られてきた歴史、繰り広げられてきた出来事、先進国と発展途上国の関係を学ぶことができました。

 

ゼミ全体のテーマは歴史ですが、色々なテーマへの応用を心がけて活動します。そのため、個人研究のテーマは、幅広く設定できます。大学生になると、教員よりも皆さんのほうが知っていることも多くなります。皆さんの個人研究から、私自身も学んでいきたいです。

 

卒業論文(卒業に必修)は、鬼門であり不安要素でもあり、就職活動で話すネタとして武器にもなります。星野ゼミでは、卒業論文に向けて、2年生の時期から、論文構成の検討、考えるべき課題の設定、資料探しに取り組みます。こうしたステップアップを通じて、気がついたら卒業論文の原形や骨格ができ、いつのまにか卒業論文になっていた状態の実現を目指します。

どのような学生を求めていますか

敬愛大学は、「敬天愛人」を建学の精神としています。「敬天」には、「先人から受け継いだモノやコトを学び、創意工夫して実践する」という意味が込められています。また、「愛人」には「地域や様々な人とのつながりを大事にして、そのなかでの自らの役割を理解して行動する」という意味が込められています。

学生には建学の精神に基づいて、大学生活を送ることを期待しています。伝統をただ「なぞる」「壊す」のではなく、より良くして現実世界で役立てることが求められます。自分自身と周囲の人がともに成長できることを考えながら、コミュニケーション力やチームワークを身につけることを意識していただきたいです。

先生の専門分野について詳しく教えてください

私の研究は、世界経済を見渡す視野と歴史的な視点を持って進めています。

まず、「お金」への着目です。歴史を振り返ると、何が「お金」となるのか、「お金」を誰がどのように発行してコントロールするのかが、常に関心を集め、研究や政策の一大テーマとなってきました。また、現代では、「世界を駆け巡るマネー」という言葉を聞くことがありますが、その正体は何なのでしょうか。このように「お金」を軸にすることで、経済の姿を眺めることができます。

次に、「国境を超えるモノ、カネ、ヒトの移動」という視点があります。実は、歴史を振り返ると、現代以外にもグローバリゼーションが進展していた時期がありました。とくに、世界経済の中心国は、世界経済をどのように創っていくのかを考えながら、グローバリゼーションを進めてきました。ここに出てくる世界経済の中心国としては、アメリカをイメージするかもしれませんが、現在では中国の台頭も著しく、歴史を振り返ると、古代ではギリシャやローマ、イスラム世界のトルコや中東、アジアのモンゴル、大航海時代の主役ポルトガルとスペイン、19世紀に最盛期を迎えたイギリスが存在していました。

先生について教えてください

大学の教員、政府の統計部局職員の両方のキャリアを過ごしてきたので、アカデミックな経験と実務家としての経験の両方を活かして研究しています。

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