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キラリ☆こども教育学科教員vol.9

教育学部 こども教育学科 山本 陽子 教授

2023/09/15

1. 専門の分野とこれまでの経歴

専門は小学校音楽科教育です。大学の教員になるまでは、都内の公立小学校で音楽専科の教諭をしていました。音楽専科として小学校に勤めるなかで、校内研究や研修会などで様々なことを学んできました。小学校で長い間教員をしてこられたのは、たくさんの先生方や子供たちと出会って様々な経験ができたからですが、何よりこの仕事が好きだったからだと思います。

 

2. 担当科目の特色や内容

私の専門分野に関連する科目として、「音楽」(1年後期)・「初等音楽科指導法」(2年前期)を紹介します。この2科目は小学校教員の免許取得に必要な必修科目で、「音楽の何を学ぶのか」「音楽から何を学ぶのか」といった視点で音楽の存在意義を考えます。併せて、小学校の音楽の授業で目指していることや、評価の問題などについても考えます。

 

「音楽」:音楽はどこから生まれたのかや、自分と音楽の関係を考えたり、音楽理論を学びます。学んだこと活かして、グループで音楽表現を工夫するアンサンブル活動をして、練習の過程や聴き合うことで音楽の多様さや一体感を共有します。

 

「初等音楽科指導法」:学習指導要領を中心に、小学校の音楽では何を学ぶのかを理解します。また、実際の授業をグループで考えて実践し、発表し合います。授業としての音楽の楽しさや難しさを学びます。

 

この他に、選択科目である「音楽と表現」や「こども学」、演習(ゼミ)も担当しています。

3. 教育の場を小学校から大学へ移した理由

小学校教員になってから20年ほど経ち、1年間現場を離れて大学院で学ぶ機会をいただきました。これまでを振り返り、新たな音楽教育についての知識を得るために、1年目は大学院の講座だけでなく大学の授業にも参加しました。世界音楽教育大会(ISME)でカナダに行ったり、留学生の出身校の上海音楽学校を訪問したりといった貴重な体験もできました。2年目は教務主任をしながら修士論文をまとめました。

大学院では専門的な知識や情報をたくさん得ることができましたが、ゼミの時間には大学院の学生たちからたくさんの質問を受け、小学校現場での経験を話すことが多かったです。院生たちは非常勤講師などで学校現場を経験していても、子供たちや小学校の実態についての理解は浅いのではないかと感じました。これらの経験から、長く勤めた小学校での経験を、これから教員になりたいと考えている大学生に伝えたいと思い、大学教員を志しました。

4. 教員を目指す学生へのメッセージ

いま、世界各地で戦争や地震、水害などの災害が起きています。異なる文化をもつ国や地域の人たちと共生するためには、お互いにきちんと伝えあうことや相手を知ること、その背景や歴史を理解することが必要です。相互理解は相手に合わせることではなく、その違いを認めあうことから始まります。そのためには物事を表面だけで判断しないことが大切です。

 

大学を卒業するときはもう大人です。子供たちが自分の思いを持って頑張れるように、一人の大人として支援してください。小学校では子供の行動をよく見て、その変化のサインを感じとりましょう。子供たちは自分の力だけで問題を解決することが難しいので、大人が気をつける必要があります。

皆さんが困難に出会ったときにも一人で抱え込まず、話ができる家族や友人、先輩や同僚と互いに支え合える関係を築いてください。自分だけの幸せを考えるのではなく、周りの人たちと協働してよりよい方向に進みましょう。思い通りにならないことは長い人生の中でたくさんあります。仕方ないと簡単にあきらめたり、周りのせいにしないで、その状況下でできることを少しずつ考えながらポジティブに取り組んでみてください。

5. 敬愛大学で学びたい方へのメッセージ

2023年3月現在、敬愛大学で小学校教員免許を取得した卒業生は600名を超えています。私が敬愛大学の教員になってずっと願っていることは、学生が「敬愛大学に入ってよかった」と言って卒業してくれることです。教員になる、ならないにかかわらず、大学での経験や人との出会いが一人一人の人生を豊かにする基礎となってくれれば嬉しいです。

 

「思いは叶う」といいますが、思いは持たなければ叶えることができません。どんな自分になりたいのか、どうしたいのかは、自ら決めることができるのです。失敗してもやり直せます。挑戦することを恐れず進んでください。もし失敗したら、その原因を考えましょう。

 

みなさんがこれから生きる社会がより幸せであるように、大学に進学したら色々な体験をしてほしいと思います。

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