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【オススメ授業】早めに始める資産形成~インフレ時代に備えて金融知識を身につけよう~

経済学部 飯野 由美子教授 担当科目「金融事情」

2023/06/15

5/31(水)、経済学部の飯野 由美子教授の授業「金融事情」にてSBI FXトレード株式会社社長の藤田行生氏をお招きし、資産形成について学びました。藤田社長が懸念するのは世界市場における日本円の立ち位置の変化です。ロシアによるウクライナ侵攻の際、これまでであれば当然起こるだろうと考えられていた「有事の円買い」が起きませんでした。「有事の円買い」とは、戦争や災害、大きな政変などが起きると、投資家は値下がりが懸念される株などを売り払い、地理的に戦火の影響を受けづらく安全な日本円を買う動きが起こることを言います。しかし実際には皆さんもご存じの通り、全く逆のことが起こり、ウクライナ戦争以降、円安が大きく進みました。

これまでの想定が覆り、10年以上比較的安定して推移してきたドル円レートが大きく変動することになったのです。藤田社長は安定的な値動きが長く続いた時ほど、変化の際には大きく変動すると言います。

併せて注視すべきことは政府の債務残高の拡大です。多額の国債残高を抱える政府の方針としては、インフレを促進させることによって、実質的な債務残高を目減りさせたいという思惑もあるのではないかと藤田社長は考えています。このような時勢にあっては、インフレへの備えが必要になってきます。日本のインフレは諸外国と比べるとまだまだ始まったばかり。銀行に預金をしておくだけでは、せっかくの資産を目減りさせてしまうことになる恐れがあるでしょう。

資産形成を早めに始めよう

インフレへの備えとして、藤田社長は「資産形成を早めに始めると有利」と学生にアドバイスします。一方で、リターンが大には大きなリスクもあります。昨今ではクレディ・スイスAT1債の価値が0になり、大きなニュースとなりました。「だまきい金融商品された」というのは通用しないと藤田社長は警告します。良くわからない金融商品には手を出さないことが鉄則です。

しかし、卒業後、就職先の企業によっては自分で企業年金を選ぶ仕組みを採用している可能性もあり、自分でリスクとリターンを判断しなければならない時が突然きます。その時に備えて資産運用について学んでおかなければなりません。

各金融商品のリスクの大きさを説明する
SBI FXトレード株式会社社長の藤田行生氏

ドル・コスト平均法とNISA等の非課税枠を使おう

藤田社長が投資方法としてお勧めするのが「ドル・コスト平均法」という手法を使った投資方法です。金融商品を一括で購入するのではなく、月々に平均して同じ金額分だけ購入していく方法です。金融商品の価格が高い時には購入数が少なく、価格が安い時には購入数が多くなるのでリスクが分散できるという仕組みです。NISA等の非課税枠を使うのも良い選択です。

学生からは積み立てNISAでの運用方法について質問が出るなど、資産形成への関心の高さが窺えます。実生活に大変役立つ学びが得られた講義でした。


報告:IR・広報室

FX練習用アプリを使った実践的授業を展開

藤田社長からはFX練習用のアプリをご提供いただきました。「金融事情」の授業では、1か月間アプリを使用して、実践的に外国為替取引を学んでいきます。「日銀金融政策決定会合」、「原油価格」、「ウクライナ戦争」などでの動向を予想して、どのような理由で値動きするかチームで議論し、いずれかの通貨を購入。チーム戦で一番利益を出したチームにはクッキーをプレゼント!いっしょに楽しく金融について学んでいきましょう。


経済学部教授 飯野 由美子

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