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小学校の道徳科における表現劇の創作(教育学部1・2年生合同ゼミ)
表現劇コンテスト2日目

教育学部 1年生・2年生

2023/01/18

2022年度後期の教育学部1・2年生ゼミでは、表現劇の創作に取り組んできました。小学校の道徳科の授業における導入劇という設定で、児童の多様な意見を引き出し、問題を提起するストーリーを考えます。

 

1月12日(木)に行われた「表現劇コンテスト」2日目の様子を紹介します(※)。前回に続き、「劇団うりんこ」の小原ひろみさんを招いて、最優秀作品の審査と各作品の講評も行われました。1・2年生の混成グループによる3作品をお楽しみください。

1日目の様子は、こちらをご覧ください。

発表会場に集まった教育学部1・2年生

3チームの発表作品と講評

「おばあちゃんを助けるか、大事な試合にいくか、あなたならどっちを選ぶ?」 チーム名:チームなおひろ

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物語

「りょう」「なおひろ」「こうへい」たちが、小学校の教室で野球をしています。スポーツの大好きな仲の良い男子児童です。クラスでは、今月の目標を「困っている人を助ける」と決めました。バスケットボール部に所属する3人は、放課後の練習に汗を流し、明日の全国大会での健闘を誓いました。「りょう」は、大会への抱負を母に語り、気力・体力を充実させて就寝しました。

 

翌朝、大会の会場に向かう「りょう」は、路上でオートバイトと接触をして、倒れているおばあさんを見つけました。慌てて介抱をしますが、返事がありません……。救急車を呼び、おばあさんを病院に搬送してもらい、急いで会場に向かう「りょう」ですが、試合は始まっていました。主力メンバーである「りょう」のいないチームは、試合に負けてしまいます。遅れて到着をした「りょう」は、チームメートに謝りますが、「おまえがいなかったから負けたんだ!」といって責められてしまいました。

 

「りょう」は、「試合に勝つために、おばあさんを助けなければよかったのか?」と心の中で問いました。

講評

教室で野球をしている場面は、男の子たちのキャラクターをよく現していました。「困っている人を助ける」というテーマが忠実に表現されており、最後の問いも重要な葛藤として示されていました。各場面が均一なので、重要な場面のボリュームに、より重みをつけるとさらに良くなったでしょう。

今月のクラスの目標を考える

「あなたにとっていじりとは」 チーム名:メロンパン

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物語

小学校のあるクラスに転校生が来ました。名前は「ようせい」です。クラスメートは、転校生を珍しがり、名前や容姿に注目します。そして、ようせい(妖精) ⇒ ティンカーベルと言って、「ティンカー」というあだ名が付けられました。「ようせい」は、このあだ名を恥ずかしがります。

 

翌日、テレビ番組の悪役に似ていると言われた「ようせい」は、髪の毛がくせ毛であることから、さらに「くるくるティンカー」というあだ名を付けられてしまいました。担任の先生は、「ようせい」とクラスメートとのコミュニケーションがとれていると思っているようです。給食に焼きそばが出た時には、「ようせい」の髪に似ているとからかわれてしまいました。この様子を見ていたあるクラスメートは、疑問に思います。

 

「これは、クラスに溶け込むために必要な”いじり”なのか?」、それとも「相手が嫌がっているので止めた方がよいのか?」。皆さんは、どのように考えますか?

講評

サスペンス風のナレーションを導入したことで、「これから何が起こるのか」という興味を惹く幕開けでした。あだ名と髪の毛という特徴が絡み合って”いじり”が発展していく様子がよく描かれていました。舞台の照明を暗くしたことも効果的な演出でした。

転校生「ようせい」の自己紹介

「ノリは押し付け、の子ども」 チーム名:みおちゃんず

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物語

「ハル」と仲良しのクラスメートが、楽しくおしゃべりをしながら下校しています。一人が「ハル」と最近話題のYoutuberが似ていると言ったことから、「ハル」は物まねをしました。この様子を皆で笑いながら、それぞれの自宅に帰って行きました。

 

翌日の朝の会で再度、物まねを強要されますが、「ハル」は嫌がります。「ノリが悪い」と言ってさらに強要されました。「ハル」は、物まねをしてしまったことで”いじり”がきつくなってきたことを悩み始めました。朝の会で元気のない「ハル」を先生が心配しました。クラスメートの「ジョン」も心配をしますが、皆は”ノリ”という一言で済ませてしまいました。

 

そんな「ジョン」に天使と悪魔がささやきました。天使「先生に相談した方がいいよ」、悪魔「その必要はない」。「ジョン」は、「ハル」がとても傷ついていると思いながらも迷いました。「先生に言った方がよいのか?」、それても「言わない方がよいのか?」。

講評

Youtuberや物まねといった親しみのある題材を使ったことで、テーマがより身近に感じられました。朝の会の場面を繰り返したことで、「ハル」が変わっていく様子が描かれていました。天使と悪魔の服装が白と黒で統一され、役柄を分かりやすくしていた点もよかったです。

最近話題のYoutuberについて話す「ハル」たち

最優秀作品と各チームのメンバー

2日目の最優秀作品に選ばれたのは、チーム名:メロンパンの「あなたにとっていじりとは」でした。”いじり”が発展していく様子を丁寧に演じたことや登場人物の色々な視点が盛り込まれていたことが評価されました。他の2チームの作品も完成度が高く、学生たちの熱意が伝わりました。

 

この目的は、言葉や体を使ったコミュニケーションの大切さを学ぶとともに、協力して課題に取り組む力を身につけることでした。表現劇の創作を通して、表現やコミュニケーションの工夫について、より深く学ぶことができました。また、教育学部こども教育学科の特徴の1つは、「互いに教え合い、学び合う」雰囲気があることです。この伝統を受け継ぎ、協力して課題に取り組むことで、各チームが素晴らしい作品を発表することができました。当初の目的は、十分に達せられたと言えるでしょう。今年度1年生だった学生が、来年度いかにリーダーシップを発揮するかも楽しみなところです。

2日目の最優秀チーム「メロンパン」

  • 「チームなおひろ」の8人

  • 「みおちゃんず」の8名