- 児童文学研究者であり児童書専門店を営む講師から、選書や棚作りについて学んだ。
- 個人経営の書店には、店主が一冊一冊を読み、自分の目で選んだ本を届ける魅力がある。
- 文脈棚は、本をテーマやつながりで並べることで、新たな本との出会いを生み出す工夫である。
- 電子書籍やオーディオブックが広がる中でも、紙の本にはページをめくるやすらぎや物語への没入感がある。
- 将来教員として子どもたちに紙の本の楽しさや面白さを伝えられるようになりたいと考えた。
20秒でわかるこの記事のポイント
奥山恵さんは、児童文学研究者、大学講師、そして児童文学専門の個人経営と多彩な顔を持っている方です。今回はその書店経営に焦点を合わせてのご講話をお願いしました。子どもの本離れが急激に進みつつある現代に、なぜあえて書店を営んでいるのか。印象的だったのは、常に前向きなその姿勢でした。
最後に、「これまで何十年もの間、数万冊の本をご自身読んでこられたと思いますが、一番印象に残っている本は何でしょうか?」とお聞きしたところ、即座に、「店の名前にもなっている『ハックルベリー・フィンの冒険』です。」とお答えいただきました。奥山さんのこだわりが垣間見えて、ああ、なるほど、と納得しました。
(教育学部長 伊坂淳一)

受講した学生のことば―本との出会いを支える工夫と紙の本の魅力
個人書店ならではの選書と棚作りの魅力
今回は、児童文学研究者であり、児童書専門店Huckleberry Books経営者の奥山恵さんのご講話を拝聴しました。お店に並べる本の選書の仕方や棚作りの工夫など、普段はなかなか聞くことのできない貴重なお話をたくさん伺うことができ、とても有意義な経験となりました。
私は今回の講話を伺うまで、大型書店と個人経営の本屋さんの違いをよく理解していませんでした。しかし、奥山さんのお話を通して、個人経営の本屋さんにはそのお店ならではの魅力があることを知りました。奥山さんが営むHuckleberry Booksでは、奥山さんご自身が選書を行い、すべての本を一度読んだうえで良いと感じたものや、他の書店ではあまり扱われていない本を並べているそうです。また、選書の相談にものっていると伺いました。
私自身、本を読むのが好きでよく本屋さんに行きますが、数多くの本の中から読みたい本を選ぶことは簡単なことではありませんし、実際にその本を読んだ人にしか分からない魅力もあると思います。そのため、すべてを一読したうえで選書している奥山さんに直接相談できることは、とても魅力的だと感じました。
棚作りにもさまざまな工夫があり、なかでも特に印象に残ったのが、「文脈棚」という方法です。文脈棚とは、本を共通のテーマやつながりで並べる方法で、このような並べ方をすることで、一見関係がなさそうな本同士にも意外なつながりが見えてくるなど、新たな発見が生まれるとうかがいました。奥山さんが一冊一冊を丁寧に読み、お客様に届けたいと思う本を選んでいるからこそ、その魅力を引き出す棚作りができるのだと感じました。

ハックルベリーブックス(柏市):ホームページ:http://www.huckleberrybooks.jp/
本の魅力を伝えられる教員になりたい
現代、様々なメディアが発達し、電子書籍やオーディオブックなど、私たちの読書スタイルも大きく変化しています。しかし、私は実際にページをめくって読むことで得られるやすらぎや、物語への深い没入感など、紙の本からしか得られない経験があると考えます。だからこそ、将来自分が教員になった際は、子どもたちに紙の本を読んでほしいと思っています。そのためには、まず自分自身が多くの本に触れ、その魅力を子どもたちに伝えられるようになることが大切だと、今回のご講話を通して実感しました。これからも読書を続け、紙の本を読む楽しさや面白さを、子どもたちに伝えられる教員になりたいと思いました。

