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子どもたちの「食べ物をごみにしない」意識を育むには? 教育学部1・2年生が千葉市環境局と連携し食品ロス削減ワークショップを実施

教育学部 教授 小林 輝明

2026/05/19

4月30日(木)の教育学部1,2年合同ゼミにおいて、千葉市環境局廃棄物対策課と連携して、食品ロス削減ワークショップを開催しました。これまで、1,2年合同ゼミではSDGsをテーマに探究的な学修を続けてきました。今回のワークショップは、学生一人ひとりが食品ロス問題を身近な生活課題として捉え、食べ残しなどによる食品ロスの削減と、食べ物をごみにしない意識の醸成を目的としています。

 

参加者の多くが教育学部の学生であるため、食品ロス削減に関する基礎的な知識の習得にとどまらず、将来、教師になったときに児童・生徒へ分かりやすく伝える視点や、主体的な学びにつなげるための考え方について理解を深める機会としました。

20秒でわかるこの記事のポイント
  • 教育学部1,2年合同ゼミで、千葉市環境局廃棄物対策課と連携した食品ロス削減ワークショップを開催
  • 学生は「食品ロスあるある投票」を通して、食品ロスが身近な生活課題であることを実感
  • 消費者庁の田中誠氏による講義で、日本の食品ロスの現状や日常生活で実践できる削減方法を学習
  • 小学校の担任になったことを想定し、学校給食の食べ残しを減らすための指導や環境づくりを考察
  • 将来、児童・生徒に食品ロスの問題を分かりやすく伝え、主体的な行動につなげる教師像を考える機会となった

食品ロスあるある投票の後、講義へ

はじめに、学生たちは「食品ロスあるある投票」に参加し、日常生活の中にある食品ロスにつながりやすい行動を振り返りました。

 

 

  • 「ついで買い」をしたことがある人?
  • コンビニ・スーパーを週1回以上使う人?
  • 冷蔵庫の奥から賞味期限切れ・消費期限切れの食品が出てきたことがある人?
  • お腹いっぱいでも無理して食べたことがある人?
  • 買う前に食べきれるか考えたことがある人?

学生たちは、これらの問いを通して、食品ロスが特別な場面だけでなく、日々の買い物や食事の中で起こり得る身近な課題であることを確認しました。その後、消費者庁消費者教育推進課食品ロス削減推進室長の田中誠氏から、「日本の食品ロス現状と対策」についての講義を受けました。

事前配布された「へらそうくんうちわ」を机に立てて「やってしまったことがある」と意思表示する学生たち

講義では、消費者庁が提供する「食品ロス削減ガイドブック」を参考に、食品ロスをめぐる現状と、私たち一人ひとりに求められる行動について学びました。「年間の食品ロス量は464万トン」「日本の食料自給率は38%」「ごみ処理にかかる事業経費は年間2.3兆円」といった統計データをもとに、食品ロスが社会全体に関わる重要な課題であることを確認しました。あわせて、「食べきり運動」「食べ残しの持ち帰り」「てまえどり」「食品寄付」など、日常生活の中で実践できる取り組みについても詳しい解説がありました。

  • さまざまな統計データをもとに食品ロス問題について学ぶ

  • 興味津々に聞く学生たち

小学校教員の立場になって考えを深める

講義後はワークの時間です。学生たちは小学校の担任になったことを想定し、学校給食で食べ残しを減らすためにできることは何かを考えました。学生同士で意見やアイデアを共有しながら、食品ロスを「行動」「指導」「環境整備」に関連付けてとらえ、教育現場で指導・実践できる教師を目指す糧にしました。

 

学生の感想文には、次の文章のように、学んだことを行動に移すことの重要性が繰り返し表れていました。

 

『今後は、ただ知識として理解するだけでなく、自分の生活の中で具体的に行動に移していきたい。そして、周囲の人にも食品ロス問題について関心を持ってもらえるよう、積極的に発信していくことが大切だと考える。』

 

今日の講演を終えて、1,2年生がSDGsをテーマに何を深めて探求していくのか、これからの取り組みに期待しています。

その他の学生の感想
  • 食品ロスは1つの些細なきっかけで簡単に起こってしまうけれども、それを減らすためには自分が思っていたよりも多くの取り組みをしていく必要があることに気付きました。そのため、まず食品ロスをしてしまわないように根本から気を付けたいと思いました。
  • 自分は日ごろから食品ロスには自然と貢献できていると思っていた。しかし、食品の調理の工夫までは意識できていなかったことに気づかされた。ほうれん草の根や、キノコの石づきは捨ててしまっていた。まさかそんなところが使えると思っていなかったからだ。無知は罪だと思った。そういう小さなことがフードロスにつながる。逆に言えばこういう小さな積み重ねで改善もされる。自分にもまだまだ改善の余地があるというのを知ることができた。
  • 私は飲食店でアルバイトをしていて、まだ食べられる状態なのに廃棄される光景をたくさん見てきました。衛生的な観点やルールなどからやむを得ない場合もありますが、この講義で食品ロスの問題を再度知り、以前より問題意識をもつきっかけになりました。そして食品ロスは、遠い問題ではなく、自分の身近な場所で起きている課題であると実感しました。
  • この講演を通じて、食品ロスを減らすためには個人の意識改革だけでなく、社会全体での取り組みが必要だと感じた。一方で、私たち大学生にもできることは多い。例えば、必要な分だけ購入する、食材を使い切る工夫をする、期限表示を正しく理解するなど、小さな行動の積み重ねが重要だと思う。