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千葉県立千葉女子高校の1年生(教員基礎コース)が教育学部の模擬授業を受講

教育学部こども教育学科

2025/12/24

2025年10月25日(土)、千葉県立千葉女子高等学校の教員基礎コースを履修している1年生27名が、同コースの授業の一環として、教育学部の模擬授業を受講するために来校しました。教育学部の伊坂教授(学部長)によるあいさつ、学内の見学ツアーの後、土田雄一教授(専門: 道徳教育、国際教育)による2コマの授業が行われました。

1限目「道徳」

1限目「道徳」の授業では、教材「白玉しるこ」をもとに話し合いが進められました。ファミリーレストランで行われた家族の誕生日会における店員とのやりとりに関するもので、「自分が注文した白玉しること店員が持ってきた品が違っていたとき、間違いを指摘するか、それとも黙っているか」という問いです。ウェビングという手法を用いて課題に対して多面的・多角的に考えました。生徒さんからは、「誕生日会の雰囲気を壊したくない」、「恥ずかしい、勇気がない」など、様々な意見が出されました。「もしかしたら、両方食べられるかもしれないから言ってみる」という興味深い意見もあり、活発に意見が交わされました。

 

土田教授は、意見を大きく2つに整理しました。1つ目は、店員さんの成長のために間違いを指摘するのがよいというもの。もう2つ目は、店員が気落ちしないよう黙っているのがよいというものです。どちらも、「店員のことを考える」という思いやりの点では同じですが、「間違いを指摘する」、「指摘をしないで黙っている」という行動の違いがありました。このように、日常の些細な出来事でも、人によって受け止め方や行動の仕方に違いがあることが分かります。道徳の授業では、こうした課題を使いながら、自分の考えや行動を見つめ直す力を育てることが大切ということが実感されたようでした。

2限目「図画工作」

2限目の「図画工作」では、「新聞紙でオリジナルの帽子を作ろう」という課題に挑戦しました。はじめに、土田教授から見本となるミッキーマウス型の帽子の作り方が示されました。基本型を理解した後、自分のオリジナル帽子の制作に取りかかりました。戦国武将の兜をイメージした帽子、リボンを作って前面に貼りつけたお姫さま用の帽子など、生徒さんたちはお互いのアイディアに感心したり、写真を撮りあったりして、楽しみながら創造力を高めることの意義を感じていました。

 

土田教授からは、「身近にある新聞紙とはさみ、セロハンテープであっても、子どもたちの想像力→創造力を刺激することができる。だから学校の授業はおもしろい」という説明がありました。互いに意見を出し合ったり、協働することで人との繋がりを感じたりすることもできました。「図画工作」は、教員自身が体験したことがないと指導が難しい教科です。感じたことを児童生徒にどのように伝えていくか、これが、授業づくりの第一歩となります。

参加した生徒の感想

  • 道徳の授業では、他の班の意見によって自分の考えが広がり、より深めることができました。図工の授業では、自分にはない発想を持っている人が多いという印象を抱き、どうしてそのような表現をしたのかを聞くのも楽しかったです。
  • このような活動を子供の頃にもっとやっておいたら、想像(創造)力がもっと高まっただろうなと思いました。もし教員になれたら、この活動を取り入れたい思いました。
  • 失敗しても大丈夫という安心できる雰囲気づくりが大事だと学びました。道徳の授業では、色々な人の立場に立って、多面的・多角的に考えることが学べるのだと分かりました。
  • 全体を通して、自分で体験して楽しみながら学ぶという印象が残りました。板書の仕方や遊びから学びへの導入の仕方なども教えいただきました。教員になったら、楽しみながら考えたり、学べたりするする授業を目指したいと思いました。
  • 今までは、道徳という授業を何となく受けてきて、何となく学んできたけど、伝えたい思いや、持ってほしい気持ちがすごく深くまであるということを体感できました。子供たちの目線に立つという気持ちを忘れずに、教員になりたいです。

教員を目指す皆さんへの支援

全国的に学校教員の不足がいわれている中、各公立高等学校の教員基礎コースは、ますますその存在価値を高めています。こうした高等学校での取り組みを支援するため、千葉県立千葉女子高校をはじめとする教員基礎コースとの教育連携を深めていきます。敬愛大学教育学部では、教員を目指す高校生の皆さんを、今後も手厚く支援していきます。

 

その一環として、「体験的に学べる授業」や「こども学の充実」、「取得可能な資格の追加」など、カリキュラムやサポートの充実(「教育学部12の特徴」)にも力を入れています。近年、毎年50人前後の教員採用候補者選考における現役生合格の実績をあげてきています。