講義の前半では、ZIPAIR Tokyoが誕生してから現在に至るまでのあゆみが紹介されました。
ZIPAIR Tokyoは、JALグループのLCC(Low Cost Carrier、低費用航空会社)として2018年7月に設立され、2020年5月の運航開始を予定していました。しかし、新型コロナウイルスの世界的流行により、計画の見直しを迫られます。「今できることは何か」「今しかできないことは何か」を考え抜いた結果、同社が選択したのは、旅客ではなく貨物の輸送でした。こうして、2020年6月に貨物専用便として運航を開始。ZIPAIR Tokyoは、いわば“Low Cost Cargo Carrier”として第一歩を踏み出しました。
同年10月には、待望の旅客便が就航しますが、最初の便の乗客はわずか2名。厳しいスタートとなりました。それでも、①貨物輸送需要が見込まれること、②旅客輸送では生活需要(家族や親族の訪問など)と観光需要が見込まれること、という独自の視点から路線開拓を進め、現在では成田と北米・アジア12都市を結ぶ航空会社へと成長しています。
苦境を嘆くのではなく、社員一人ひとりが知恵を絞るとともに、行動することにより、コロナ禍をくぐり抜けてきたという西田社長の経験は、学生の心に深く響いたようです。
株式会社ZIPAIR Tokyoの西田真吾代表取締役社長
