後半では、源氏物語の一節を題材にした地歌『夕顔』を皆川先生と三谷先生が演奏しました。演奏前に詞章や物語の背景、登場人物の関係を図で確認し、楽曲の世界観を想像しながら音楽を鑑賞しました。文学と音楽が融合する日本の伝統芸術の魅力を体感するひとときとなりました。

教育学部の授業「初等音楽科指導法」(担当:根本講師)では、「日本の音楽体験」をテーマに授業を実施しました。三味線や箏(そう)などの和楽器の鑑賞と演奏体験を通して、日本の伝統音楽や文化への理解を深めることが目的です。和楽器の扱い方や子どもたちへの教え方も学びます。講師としてお迎えしたのは、日本の伝統音楽の分野で活躍している五味宏先生(五味楽器)、皆川みゆき先生、三谷夏香先生の3名です。
授業の前半では、三味線の歴史や種類、そして「地歌(三味線音楽の一種)」について解説がありました。三味線音楽が語りや物語性を重視していることや、地歌特有の表現などを学んだ後、皆川先生と三谷先生が演奏する楽曲『八段』を鑑賞しました。三味線二梃で表現される繊細で豊かな音の重なりや響きに、学生たちは静かに耳を傾けていました。
後半では、源氏物語の一節を題材にした地歌『夕顔』を皆川先生と三谷先生が演奏しました。演奏前に詞章や物語の背景、登場人物の関係を図で確認し、楽曲の世界観を想像しながら音楽を鑑賞しました。文学と音楽が融合する日本の伝統芸術の魅力を体感するひとときとなりました。
前回の授業で取り組んだ『さくら』を、今回はさらに発展させ、「押し手」「引き色」などの基本的な奏法を加えて演奏しました。独特な譜面や慣れない手の動きに戸惑いながらも、声をかけ合いながら練習する姿が見られました。短い時間の中で合奏できるようになった時には、学生から自然と笑顔がこぼれていました。授業の様子を動画にしましたので、是非ご覧ください。
今回の授業では演奏体験や鑑賞を通して、日本の伝統音楽の奥深さや美しさにふれることができました。子どもたちに伝統音楽をどのように教えるかを考えるうえで、貴重なヒントや気づきが得られる学びの時間となりました。今後の授業づくりや教材研究にも活かされることでしょう。
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