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国際学部1期生の活躍-保健医療分野における国際協力とキャリア形成-

国際学部国際協力学科(現国際学部国際学科) 1期生

2024/12/10

2024年11月26日(火)の国際学部1年生のゼミは、合同形式で行われました。普段は、それぞれのゼミ教室に分かれて学んでいる学生たちが、1つに集まり国際学部卒業生の講演を聴きました。講師は、独立行政法人国際協力機構(JICA)に勤める平野志穂さんです。平野さんは、1997年に開設された国際学部国際協力学科(現国際学部国際学科)の1期生で、卒業後は保健医療分野の国際協力事業に従事されています。1年生は、卒業後の進路の実現に向けて所属するコースを選択し、学びを深める重要な時期にいます。先輩の活躍を参考に、各自の将来を考えてほしいという願いから企画されました。

学生時代は世界を夢見て

世界の国々で仕事をすることや、アジア・アフリカとの国際協力に関心があり、それを実現できる敬愛大学の国際学部に入学を決めたそうです。在学中は、「世界」がキーワードとなり、夢の実現に近づくための様々な活動に取り組みました。夏季・春季の長期休暇にはインドに赴き、マザーハウス(※1)で世界中のボランティアと交流し、草の根の支援活動に携わりました。孤児の中に女児が多いことに疑問を持ち、卒業論文で子供や女性の人権について研究するきっかけになったそうです。サークル活動では、模擬国連を作り、国際政治の仕組みや国際問題の解決策の検討などを行いました。模擬国連大会(※2)にも参加し、他大学の学生との交流を通じて問題意識を共有しました。

※1 マザー・テレサの奉仕の精神を受け継ぎ、貧しい人々への支援を行う施設。
※2 学生が各国の大使として国連の会議を模擬する活動

現在は保健医療分野の国際協力に従事

卒業後は、NPO法人でフィリピンの現地調整員として活動し、栄養改善のプロジェクトに携わりました。海外協力隊では、ガーナの村落開発普及員として、地域の保健医療の改善支援も行いました。こうした経験を体系化するため、長崎大学大学院国際健康開発研究科で保健医療分野の研究を行い、NPO法人のケニアでの活動を経て国際協力機構(JICA)に入構しました。JICAは、国と国の間で行われる支援活動(技術協力や資金協力など)を担っています。平野さんは、主に海外からの研修員の受入れと研修の計画・実施に関わる仕事に携わっています。具体的には、医師や看護師などの医療の専門家と協力して研修を企画したり、スケジュールの調整、モニタリング、予算の管理などを行っています。

後輩へのアドバイス

世界の国や人々と共に仕事がしたいと考えている場合は、英語力を向上させることも必要です。私は、NHKのラジオ講座を利用して学習の費用を抑えながら学んでいました。また、海外のボランティア活動に参加して、各国のボランティアと英語を使いながら交流しました。こうした場面で物怖じせず、英語によるコミュニケーションを図ることが、上達への近道だと思います。

 

国際的な支援に関わりたいと考えている人は、NPO団体などのボランティア活動に参加することが最初のステップとして考えられます。現地での臨機応変な対応が求められ、実践から得られる経験は多いです。また、1つの地域にきめ細やかな支援を行うので、地域の問題を実感をもって感じることができます。こうした海外での草の根の活動は、様々な国の価値観に触れることができ、視野を広げることにも繋がります。

 

皆さんが社会に出ると、結婚や出産といったライフイベントによって、キャリアの選択を考えなければならないことがあります。職場の協力や働き方の工夫、家族や両親の支え、民間のサポートなどを活用しながら、自分らしいキャリアを築いてほしいと思います。在学中に自分のやりたいことを見つけ、仲間と協力しながら多くの経験を重ねてください。