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TBSでの特別授業!家近ゼミが調査結果を発表し、若者とメディアの関わり方を考えました

国際学部後期2年ゼミ

2024/10/25

今年度、国際学部の家近亮子教授の後期2年ゼミでは、「メディアに関する意識調査」を行いました。全学部の学生を対象にアンケートを実施、10月21日(月)にはTBSを訪問し、その調査結果を報告する機会を得ました。

 

家近ゼミでは「世界のメディア」をテーマに学んでいます。メディアの特徴を把握するため、「新聞班」「雑誌班」「テレビ班」「ラジオ班」に分かれ、それぞれの歴史や現状を調べています。調査結果をもとにアメリカ、中国、韓国、オーストラリア、中東など、世界のメディアとの比較分析を行い、日本のメディアの特徴を明らかにしようとしています。その一環として、現代の若者がどのようにメディアと関わっているかを探るため、アンケート調査を実施しました。回答者数は130名で、多くの学生からの回答を集めることができました。

 

今回の調査報告を受けてくださったのは、6月にゲスト講師として本学での講義を担当なさったTBS報道局の井上洋一氏です。井上氏は新聞社の社会部でのキャリアを経てTBSに入社し、モスクワ支局長や北京支局長を歴任されたベテラン報道記者です。

 

TBS報道局の井上洋一氏(左)と家近ゼミの学生たち

井上氏にメディアに関する意識調査の結果を報告

調査の結果、回答者の家庭の80%が新聞を取っていないことが分かりました。対して61%の学生が過去に新聞を読んだことがあると答えており、「時々読む」「読みたい記事がある時に読む」という学生が大半を占めました。新聞自体は購読されなくなっているものの、学生たちは特定のニュースや関心事に応じて、図書館などで個々の記事を読んでいるようです。

テレビの視聴状況に関しては、83%の学生がテレビを観ると答えていますが、その中でも「観たい番組がある時だけ観る」という学生が34人(26%)と最も多い結果となりました。テレビ番組についても新聞と同様に関心のある内容に限定して視聴する傾向が強いことを示しています。テレビを観ない理由として「YouTubeを観ている」「部屋にテレビがない」といった回答があり、ゼミ生たちもそれに同調していました。スマホでニュースをチェックする学生が80%に達しており、芸能関連のニュースなど、特定の関心分野や目的に応じた情報収集がなされているようです。

 

TBSの井上氏は、今必要な情報をメディアは報道しているとし、「ニュースを見ないと損をしてしまうかもしれない」と指摘します。昨今、話題となっているいわゆる「闇バイト」では若者をターゲットに甘い文句で騙して集め、強盗などを犯さざるをえない状況に追いこんでいます。予め情報を知っていなければ対処が難しい事件です。特定の情報を選んで見に行くのではなく、新聞やテレビの報道を見て、広く世の中を見渡す必要があると井上氏は強調します。

マスメディアの歴史と今後についての講義とディスカッション

井上氏からは、マスメディアの発展の歴史と今後の展望に関する講義があり、その後、ゼミ生たちは現在のメディアについて井上氏と議論する機会がありました。中東の放送局、アルジャジーラについて調べている学生からは、日本の放送局がアルジャジーラのように多言語放送に対応すれば、在日外国人がニュースにアクセスしやすくなり、異文化間の理解が進むのではないかという提案もありました。

また、ジャニーズ事務所による性暴力事件において、メディアがそれを見過ごしていた背景について鋭い質問が投げかけられました。

質問する学生

番組制作の司令塔「スタジオサブ(副調整室)」を見学

報告会の後には、TBSのスタジオサブ(副調整室)を見学しました。見学時にはちょうど昼のJNNニュースを生放送しており、何人ものスタッフが秒単位で連携しながら番組を進行していく様子を目の当たりにしました。ニュース映像が流されている間にはアナウンサーが次の原稿の整理をしていたり、気象予報士の姿と現在の空模様をリアルタイムに合成したりと視聴者には見せない部分をモニター越しに見ることができました。アナウンサーが番組終了時間に寸分違わずに原稿を読み終えると、その職人技に学生たちからは感嘆の声が上がっていました。

番組終了後には、たった今まで収録が行われていたスタジオも見せてもらいました。このスタジオは「News 23」や「ラヴィット!」などの生放送も行っており、学生たちは目を輝かせていました。

【参考画像】"FOX Business Network's control room" by Spud of Inside Cable news is licensed under CC BY 2.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/)

 

今回のTBS訪問では、ゼミ生たちはマスメディアの役割とその重要性を学ぶことができました。同時に、ニュースの裏側では様々なプロフェッショナルが連携して作られていることを知り、今後の学びに大きな刺激となりました。今回の訪問は、家近教授の大学時代の後輩で元アナウンサー(現 営業局)の長岡杏子氏が訪問を受け入れてくださったことで実現しました。さらに、一般には利用できないTBSの社員食堂でのランチもご手配いただき、この場を借りて心より感謝申し上げます。

先ほどアナウンサーがニュースを読み上げていた机に並んで記念撮影