学生が取材・執筆した記事が千葉日報の紙面を飾る『CHIBA University Press』は、大学生のメディアリテラシーや情報発信力の向上などを目的として、千葉日報社が主催する取り組みです。今年度は経済学部1年の井上優汰さんと菊地遥南さんの2名が参加し、特別賞を受賞しました。「学生が主体となって参加するボランティア」をテーマに、ボランティアに参加した学生だけでなく、運営をサポートするスタッフや組織にも注目して取材を行いました。
CHIBA UNIVERSITY PRESSに参加したきっかけ
菊地さん :キャリアセンターからお誘いをいただき、話を聴いて興味がわきました。また、所属している金融研究会の先輩が昨年この取り組みに参加していて、体験談を聞いたこともきっかけです。私は文章を作るのが苦手なので、取材や記事の作成を通して練習をしたいと思いました。まだ入学して2か月ほどだったので、大学で新しい学びや自分を発見したいと思っていました。
井上さん :キャリア教育の授業を履修していて、キャリアセンターの職員の方から勧めてもらいました。課外活動を特にしていなかったので、学生同士が協働することで交流が深まる経験をしたいと思い、やってみることにしました。
井上さん(左)と菊地さん(右)
苦労したテーマ決め
6月にオンラインで開講式があり、他大学を含めた参加学生が出席しました。オリエンテーションとして、千葉日報の方から取材の注意点や画像の選び方、記事の書き方などのガイドラインを説明してもらいました。9月の中旬が記事の提出締切だったので、早速テーマ選びをしたのですが、なかなか決まりませんでした。キャリアセンターの方がアドバイスをくださり、様々なサポートをしてもらったのですが、苦戦しました。最近はネガティブなニュースが多いので、私たち大学生に身近でポジティブな話題が良いと考えていました。
千葉日報に掲載された記事
菊地さん :人に感謝されることが嬉しくて、ボランティアに興味がありました。オープンキャンパスに来場した方々を案内するチューターや、千葉市のお仕事体験ボランティアなどの活動にも参加したので、ボランティア活動をテーマにしてみると面白いのではと感じました。
井上さん :私はボランティア未経験者だったのですが、菊地さんからの話を聴いて、学生がなぜボランティアをするのか、その理由に興味がわきました。8月末に「学生が主体となって参加するボランティア」をテーマとすることに決まりました。テーマ決めに2ヶ月ほどかかってしまい、今思えば、ここで時間を消費してしまったと思います。
菊地さん :夏休みの前後の時期で、テスト期間やアルバイト、オープンキャンパスチューターの活動も重なり、なかなか集まる時間が取れませんでした。
井上さん :続いて、取材する人や場所を決めないといけないのですが、ボランティアに詳しい地域連携センター長の藤森さんに尋ねたところ、関係者の方々を紹介してくれて助かりました。結局、記事の提出締め切りを過ぎてしまい、1週間ほど延ばしてもらうことになりました…。最後の1週間くらいで急いで取材をして、記事を書きました。
取材の難しさを実感
井上さん :放課後子ども教室の取材では、小学生を撮影させてもらったのですが、個人が特定されないように撮影しなければいけませんでした。子供たちが遊んでいるところを、背後から工夫して撮影しました。取材時はメモを取っていたのですが、いざ原稿を書き始めると、もっと深堀りすればよかった、時系列をしっかり把握しておけばよかったなど、後で気づくことが多くありました。
菊地さん :私はプロスポーツチームに関するボランティア活動を取材し、活動の舞台裏などを細かく撮影させてもらいました。中には良い画像もあったのですが、紙面の限られたスペースでどの取材内容を優先するかを考慮した結果、掲載を見送りました。テーマに沿った記事の掲載や内容の絞り込みの大切さを学びました。また、私はボランティアの経験があったので、井上さんの取材のための質問事項を考えたりもしました。
井上さん :地域連携センター長の藤森さん、キャリアセンターの中村さんには多大なサポートをしてもらいました。仕事は様々な人の協力により成り立っていて、一人だけでは完結できないと実感しました。
特別賞を受賞した時の気持ち
11月に行われた対面での閉講式には、二人で参加しました。優秀賞(1大学)と特別賞(2大学)が発表されるのですが、受賞できると思っていなかったので、発表されたときは大変な驚きと喜びでした。前に出て表彰状を受け取ったあと、コメントを求められたのですが、緊張していて、何を話したのか全然覚えていません…。他大学の学生は上級生ばかりだった中、1年生で特別賞を受賞できたことはとても嬉しいです。頑張ってチャレンジしてみてよかったです。
学生記者を体験してみて
井上さん :普段の授業を履修しているだけでは、絶対にできない貴重な体験をしました。スケジュールに沿って仕事をしたり、想定外の事態に対応したり、対面で取材したりなど、自身の成長につながったと思います。原稿の提出が遅れたことは反省点です。千葉日報の方に迷惑をかけてしまったと思います。期限を守らなければいけないことを、頭ではわかっていても行動できず、後悔が残ります。また、遅れることで様々な影響が出ることも実感しました。
菊地さん :私は高校生の時、やってみたいことがあってもなかなか行動に移せないところがありました。大学では、そんな自分を変えたいと思っていました。やってみないと分からないことがたくさんあったので、思い切って行動してみてよかったと思います。受賞もすることができて、大変嬉しいです。また、取材して記事にまとめるという一連の取り組みを通じて、関係者の方々とのメールのやりとりや言葉遣いなども学べました。
井上さん :1年生の時に学生記者の体験ができて、とてもありがたかったです。今後は、締め切りを守ることを意識して行動しないといけないと感じました。また、初対面の人とのやり取りを通じて、社会に出たときに活かせるコミュニケーションスキルが向上したと思います。
菊地さん :記事の内容には反省点が残ります。もっと計画的に進めていれば、アピールしたいポイントにこだわったいい記事が書けたのではないかと思います。ゴールに向かって必要なことを整理し、優先順位をつけて計画的に物事を進める経験は、資格の勉強などにも生かせると思いました。
特別賞の表彰状
千葉日報に学生記者の記事が掲載(2023 CHIBA University Press)