開会にあたり、教職交流会の佐久間会長より挨拶がありました。このような交流の場が毎年継続して設けられていることへの感謝を述べるとともに、教職という仕事の素晴らしさや、現在の教育現場が抱える課題について触れました。「教員は、人との関わりが途切れることなく続いていく、やりがいのある仕事です。ぜひ目指してほしい」という言葉は、参加者の心に強く残るものでした。

開会挨拶を述べる佐久間会長
STUDENTS&GRADUATES

2025年度 第16回「敬愛大学教職交流会」
2025/12/15
敬愛大学主催「第16回教職交流会」が、2025年11月29日(土)に稲毛キャンパス1号館(新館)にて開催されました。この交流会は毎年開かれており、教育現場の第一線で活躍する卒業生と、教職を志す在学生、そして大学教員が一堂に会し、教育の最新動向や授業実践を共有し合う貴重な交流の場です。今年は2名の卒業生が登壇し、日頃の教育実践を踏まえた発表を行いました。現場での課題と工夫やICTの活用、そして子どもたちの「主体的・対話的で深い学び」を支える授業づくりが語られ、在学生にとって大きな刺激となりました。
開会にあたり、教職交流会の佐久間会長より挨拶がありました。このような交流の場が毎年継続して設けられていることへの感謝を述べるとともに、教職という仕事の素晴らしさや、現在の教育現場が抱える課題について触れました。「教員は、人との関わりが途切れることなく続いていく、やりがいのある仕事です。ぜひ目指してほしい」という言葉は、参加者の心に強く残るものでした。

開会挨拶を述べる佐久間会長
第2部では、卒業生2名による教育講演会が行われました。現在の学校現場で求められている学びの在り方や、子どもたちの成長を支える授業づくりについて、実践に基づく具体的な発表が共有されました。ICT活用による学習の深化や、生徒の主体性を引き出す指導の工夫など、在学生にとっては教育の「いま」を知り、自身の将来像を描くうえで貴重な学びの時間となりました。



「振り返りシートを通した学習改善 ―生徒の“自分の課題がわかる”を育てる―」
中学校の英語科教員として5年目を迎えるK先生は、「生徒が自ら課題を見つけ、改善につなげる力」を育てるための実践を紹介しました。研究の中心となったのは、毎時間の振り返りシートの改善と活用です。K先生は、新学習指導要領が求める「主体的に学習に取り組む態度」を育むためには、単なる感想ではなく「自分の学習課題に気づく振り返り」が必要ではないかと考えたそうです。しかし、従来の振り返り方では、「何を書いたらよいかわからない」「自分の課題を言語化できない生徒が多い」という課題がありました。そこで先生は振り返りシートを改善し、
授業の目標
今日学んだこと
自分の課題
次に取り組むこと
が明確に記入できる構成にしました。また、教員が単元ごとにコメントを返す仕組みを取り入れ、生徒一人ひとりの学習状況を継続的に把握できるようにしました。改善後には、生徒の意識に明確な変化が表れました。
「英語を学習する上で、自分の課題がわかっている」と答えた生徒が 63%から85%に(22ポイント増加)
逆に「自分の課題がわからない」生徒は大幅に減少
生徒へのアンケートでも、「振り返りをすると学習が定着する」「次の授業の見通しが持てる」といった意見が多く寄せられ、学習の見通しをもつ姿勢が育ちつつあることが示されていました。K先生は、「自分の学習を自分で調整できるようになることが、主体的な学びにつながる」と述べ、今後の課題として「書き方がわからない生徒へのさらなる支援」も挙げました。

「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた道徳科授業 ―ICT活用による“問い”の深化―」
県内の小学校教員としてW先生は、道徳科における「問いづくり」と「対話」を中心に据えた実践を紹介しました。児童がタブレットを活用して問いをつくり深める様子も紹介されました。冒頭で、学習指導要領における道徳科の目標である「道徳的判断力」「道徳的心情」「道徳的実践意欲と態度」を提示し、これらを育むためには、児童が自身の生活とつなげて考える「主体的な学習」が不可欠であると強調しました。授業では、
1.個人の問い
2.班での問い
3.学級全体の問い
へと段階的に広げ、児童同士の対話を深めていくのですが、W先生はここにICTを活用しています。Googleスプレッドシートを活用し、児童一人ひとりが入力した「問い」を一覧化することで、他者の考えが可視化され、自分では思いつかない視点に気づくといった効果が生まれました。また、ICT活用の特徴として、児童の学びの履歴(OPPシート)が蓄積され、自分の変容を振り返りやすくなる点も紹介されました。児童アンケートでは当初、ICTの活用に懐疑的だった児童もいたそうですが、事後アンケートでは「考えを伝えたり知ったりする良さを感じた」「道徳でタブレットを使うのはよいと思う」といった肯定的な意見の変化が見られたことが紹介されました。
また、フィリピン(サンカルロス大学)での授業実践も紹介いただきました。現地の児童との交流写真を交えつつ、英語で道徳授業を行った経験と、「友達を大切にする心」「行動が相手に与える影響」など、国境を越えて共通する道徳の価値について語りました。ここには本学の在学生も参加しており、思いがけない交流になったそうです。W先生は最後に、「若い先生方の柔軟な発想や新しいアイデアが、学校現場には必要とされている」と、未来の教員を目指す学生に力強いメッセージを送りました。
各講演の後には質疑応答の時間が設けられ、各回共に時間いっぱいまで積極的な質問が飛び交いました。また、在学生の活動報告として、今年度のスタディツアーで訪れたフィリピンのセブ島にあるサンカルロス大学にて、現地の小学校での教育活動や授業の様子、文化交流についてのプレゼンテーションがありました。最後に参加者は10班のグループに分かれ、講演の内容についてディスカッションを行いました。

学生からの質問集に答える卒業生

海外スクーリングの報告をする学生

班ごとに分かれたディスカッションの様子

活発な会話が交わされていました
全ての講演、発表が終了した後は、立食形式での交流会が行われました。1号館3階の学食にて、卒業生・在学生・教員が活発に意見交換を行いました。教育実習の悩みから、ICT活用の工夫、学級経営の実際など、多様な話題で盛り上がり、参加者は新たな視点や前向きな気持ちを得た様子でした。
来年度の11月にも教職交流会を実施します。敬愛大学を卒業してもぜひ毎年の交流会に参加し、知恵と経験を後輩たちに受け継いでいただきたいと思います。



