なぜ、「情報マネジメント」を学ぶのか? この分野の人材は社会でどのように求められているか、データの活用にはどのような課題があるかを見てみましょう。社会でIT人材が必要とされている背景を知ることで、情報マネジメント学部で学ぶ理由をより深く考えるきっかけになります。
社会で求められているIT人材
ITや情報、AI・データといったワードを耳にすることは近年ますます多くなり、重要性が増しています。企業では、これらの知識・スキルを備えた人材は、どのくらい確保されているでしょうか。また、IT人材が身につけるべきスキルには、どのようなものがあるでしょうか。
図1によると、7割を超える企業が量と質の両面でIT人材が不足していると答えています(赤枠の部分)。「大幅に不足」の割合は、4割を超えており、事業戦略上の課題となっていることが伺えます。図2によると、企業等がIT人材に求めるスキルで最も重要度が高いと答えたのは、「社会や顧客、業務に関する課題や変化を把握する力」(A)でした。次いで、「データに基づいて課題把握、変化に対応できるデータ処理能力」(B)、「データやデジタル技術を活用したビジネス企画スキル」(D)の順となりました。「IT活用の進展・浸透は、各産業の生産性を革新的に向上させる」*と言われており、業界や職種を問わず広く求められている人材と言えます。*『-IT人材需給に関する調査-調査報告書』(みずほ情報総研株式会社 2019)から引用。
企業のデータ活用の現状
企業のデータ活用の現状は、どのようになっているでしょうか。パーソナルデータ(基本情報)の現状を他国と比較して、今後の課題について考えてみましょう。
企業では、自社のEC(電子商取引)サイトやSNSなどを通じて、利用者のパーソナルデータを収集し、サービスの向上に役立てています。しかし、図3によると日本におけるパーソナルデータの活用の割合(赤枠の部分)は、他国と比較して高い水準ではありません。一方、私たち利用者は、パーソナルデータが利用されることに抵抗を感じる場合があります。図4によると日本では、提供した情報が「望まない電話、訪問販売、広告などに利用されてしまう」(A)、「流出した情報が悪用されてしまう」(G)などの心配があるようです。今後、他国のようにパーソナルデータは積極的に活用されるべきでしょうか? それを適切に利用するには、どのような考え方やルールが必要でしょうか? 情報マネジメント学部では、こうした身近なテーマから重要な問いを立て、情報やデータについて学びを深めて解決策を考えます。
まとめ
我が国におけるIT人材の確保やデータの活用は、発展途上と言えそうです。今後の課題と考えられますが、専門性を身につけた人材には、卒業後の社会で幅広い活躍の場があります。将来に必要な資質能力を見据えて、私たちと一緒に学びましょう。大きな可能性に、ぜひチャレンジしてください。