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グローバル企業に翻弄される東ティモールの農家をロールプレイ 多角的視点を身につけるワークショップ 

経済学部 非常勤講師 木口 由香 氏
(NPO法人 メコン・ウォッチ)

2024/05/27

「国際地域論」は、半期15回の授業を、5回ずつに分け、3つの国・地域について、専門家がそれぞれの角度から、講義を担当する科目です。講師陣は、それぞれの地域に長く住んでいたり、親しい方がいたり、頻繁に往き来きしている方々です。各国・地域に関する一般的な知識を提供するだけでなく、環境問題、紛争、政治動向、歴史、先端産業など、それぞれの専門の視点から国・地域の問題を話してくれます。

学生だけでなく、敬愛大学生涯学習センターの講座に参加している社会人の聴講生も一緒に教室で学びます。5月7日(火)、第4回目の「東南アジアを知る」の回では、先生が「ワークショップ」を企画して、学生と社会人の聴講生が1つのチームに混ざって、「東ティモールの農家の一家」になりました。世界的な食品大資本が持ちかけてきた珈琲栽培のプロジェクトを受けるかどうか、受けるなら、持っている土地の何%を珈琲栽培に転作するか、一家で話し合って決めます。子供たちは学校に行きたがっており、将来高い所得が得られる仕事に就きたいのです。でも今の農場からの収入だと、その費用が出ません。最初は収入も上がりますが、途中でどんでん返しが…。そんな経験をみんなでします。

 

異なる世代が一つになり、互いににこにこと話し合いながら、農場経営の方針を決めていきます。普段はおとなしい学生も、自分の意見を述べるなど、参加者全員が活発に関与する貴重な機会となりました。

ワークショップを企画した木口 由香 講師

先進国に住む私たちは、同じアジアにあっても東ティモールの農家の生活について、普段は意識もしないでしょう。今回のワークショップを通して、東ティモールの農家の立場に立つことで、自分たちとは異なる視点を体感し、発展途上国の現実や苦悩を具体的に感じ取ることを学生に期待しています。 多国籍企業の活動が発展途上国に及ぼす経済的、社会的、環境的影響を深く理解し、その短期的な利益と長期的なリスクを批判的に注視することは先進国に住む私たちの責務です。学生には社会人になるにあたり倫理的な視点と持続可能性を考慮する力を獲得してほしいと願っています。

 

報告:経済学部教授  飯野 由美子