教育学部の1・2年生のゼミでは、異なる学年が協働でSDGsに関わる身近な問題に取り組み、ポスターセッション形式で成果を発表する課題解決型学習を行います。2024年5月9日の授業では、千葉市環境局環境保全部脱炭素推進課の職員の方をお招きし、持続可能な都市の実現に向けた取り組みを紹介していただきました。
講義のねらい
講義のねらいは、地球温暖化のメカニズムや影響を理解して、対策を考える上で必要となる知識を養うことです。
ゼロカーボンシティとは
経済活動や日常生活で排出される二酸化炭素の排出量をゼロにすることは難しいですが、これを抑制して森林等の自然によって吸収される量と釣り合いを取れば、排出量は実質的にゼロになる(カーボンニュートラルな状態)と言えます。ゼロカーボンシティとは、カーボンニュートラルを目指して取り組みを進める地方自治体のことをいいます。
政策の背景
千葉市がゼロカーボンシティに向けた政策を推進している背景には、将来の世代も安心して暮らせる持続可能社会をつくるために、早急にカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを行う必要が挙げられます。千葉市の年平均気温は1970年から2019年までで約2℃も上昇しており、地球温暖化対策を行わないと、災害の増加など私たちの生活に大きな影響を及ぼすことが予想されます。地球全体の気温は、年々上昇しており、集中豪雨や洪水、日照りや干ばつ、海面の上昇などによる災害や健康への被害が、千葉市でも懸念されているのです。
具体的な取り組み
カーボンニュートラルの達成に向けた具体的な取り組みを示した「千葉市地球温暖化対策実行計画」が令和5年3月に策定されました。ここでは、6つの柱が掲げられています。柱に基づいた施策の主な内容を紹介すると、①省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの利用、②電気自動車や公共交通等の利用促進、③太陽光発電などを取り入れた建物の普及、④市役所の率先行動、⑤気候変動に適応したまちづくり、⑥環境意識の啓発・教育活動などです。
ゼミの取り組み
講義の最後に質疑応答が行われ、「電気自動車の地球温暖化への対策効果はあるか」「学校への燃料電池の普及には補助があるか」といった質問が、学生や教員から次々とあがりました。講義を聴いて、一人ひとりが地球温暖化の問題を自分のこととして感じたのではないでしょうか。
合同ゼミでは、地球温暖化に対して実行できる対策を各グループで検討し、解決策を発表するプロジェクトに取り組みます。入賞チームは、12月に開催される敬愛SDGs集会でポスター発表を行い、成果を報告します。現実に生じる様々な制約を考慮しながら、有効な対策が提案されることを期待します。
報告: 教育学部、IR・広報室