敬愛人

敬愛大学で輝く「人」「学び」を紹介

TEACHERS/STUDY/LABO

教員・学び・ゼミ

経済学科ゼミ紹介vol.05

経済学部 経済学科 滝川 恒昭 教授

2023/11/29

ゼミではどのような活動をしていますか

私のゼミでは、全員で日本史(戦国時代)の1冊の本を読み込んだうえで、輪番制で発表者を決めてその内容を要約したり疑問点をあげ、それについて全体討議するなかで、歴史的思考力をつけることをめざしています。地位に残る歴史遺産(人・出来事・遺跡等々)を「まちづくり」にいかせないか、というテーマを主題に、現時点では千葉県内でよく知られた伊能忠敬や千葉氏・里見氏などについて、その基礎的な知識を学んでいます。この夏休みには、伊能忠敬のゆかりの地である佐原(香取市)でフイールドワーク(アンケート調査)を実践しました。

どのような学生を求めていますか

私のゼミが求めるのは、前向きで積極的で行動力のある学生です。やる気のある方はぜひどうぞ。

先生の専門分野について詳しく教えてください

日本中世史、なかでも戦国時代の関東の政治・流通経済史を専門としますが、さらに絞れば、当時房総に存在した戦国大名里見氏について長年研究しています。「南総里見八犬伝」で一般によく知られる里見氏ですが、その実像は、残された史料の少なさもあって謎の部分が多い存在です。ただ近年、北条氏や上杉氏といった里見氏と深く関わった戦国大名の史料の掘り起こしと研究が急速に進み、里見氏についても従来にはなかった新たな視点で考えられる環境が整ってきました。また一緒に里見氏について勉強する仲間(里見氏研究会)も増えてきたので、それらをもとに、新たな里見氏像を作り上げることを目指しています。

 

里見氏は安房という小さな国を本国とする大名でありながら、上杉謙信・武田信玄・北条氏康といった名だたる戦国大名と対等に戦っていた大名であること。また清和源氏の末裔という名門の血筋を誇りながら、一方で海賊衆、いわば海の強盗集団を率いて今の東京湾を支配していたという二面性が魅力です。もっといえば、あまり強くないところ(笑)。「歴史は変えられないけど応援したくなる」といったファン心理をかき立てられます。私は里見氏最後の本拠地である千葉県館山市で生まれ育ったので、自然と里見氏が好きになりました。

先生について教えてください

千葉県公立高等学校の社会(地歴)科の教員を務め、日本史という教科の楽しさや担任を通じて多くの生徒と関わってきました。またその一方で、千葉県・県内市町村の中世(戦国時代)の歴史を明らかにするような仕事をこれまで継続的にしていました。具体的には、地域の歴史を本にまとめることや、各地で一般の人たちを対象に講演や講座を実施し、戦国時代の房総の歴史やその魅力を伝える役割を担ってきました。

経済学科ゼミ紹介一覧に戻る 経営学科ゼミ紹介一覧に戻る