応用ミクロ経済学や実証産業組織論を専門としています。これらは、経済理論と統計学的方法を組み合わせて、実際の経済データを分析し、経済理論の検証や、経済事象同士の因果関係を明らかにする経済学の分野です。
こうした応用ミクロ経済学や実証産業組織論の様々なトピックの中でも、特に近年では、社会問題化している「フェイクレビュー」が関心の対象です。これは、今現在でもAmazonで横行している、”やらせ”や”サクラ”にあたるレビューを指します。一見有害極まりないフェイクレビューですが、理論的には社会厚生を害さない可能性が指摘されています。これだけでも驚きですが、その実態についても未だによくわかっていません。フェイクレビューが果たしてどれだけ有害なのか、どんな売り手が不正を行っているのか、どれだけの規制が相応しいのか、フェイクレビューをどうやったら防げるのかetc…など、さまざまな課題が山積みなのが現状です。
こうしたフェイクレビューの問題について、実証分析を通じて実態を明らかにし、規制・施策のためのエビデンスを積み上げていくことが必要であり、自分の研究もその文脈に置かれます。