まず、「育児休業」について2人の学生がそれぞれ発表を行いました。
K.Oさんは、育児休業(法律で定められている公的な制度)と育児休暇(企業などが独自に定める制度)の違いについて触れ、日本と世界の違いを調べました。日本では父親の育児休業取得率の低さが問題になっています。一方、スウェーデンでは88.5%(2012年)となっており、多くの父親が育児休業を取得しています。両国にはどんな違いがあるのかや、日本における育児休業取得率を上げるための提案を行いました。
続いて発表したM.Oさんは、父親の育児休業における給付金に注目しました。日本の給付額は、フルタイム就業の日数に換算した場合に世界トップクラスであるそうです。しかし、その取得率は思うように上がりません。スウェーデンやドイツの取り組みを調べたところ、「取得を促す仕組みづくり」に注力していることがわかりました。
スウェーデンは取得しやすい環境にあり、両親ともに育児休業を取得する意識を高めるために、240日ずつの休業給付が「親の権利」となっているそうです。ドイツでは、2007年に育児休業制度を改正しました。母親に加え父親も取得すると、期間を12ヶ月から14ヶ月間に延長できます。2015年にさらに改正され、休業期間中に所得の67%が「両親手当」として補償されています。結果、ドイツの父親の育児休業取得率は43%までアップしたそうです。これらの仕組みはパパ・クオータ制度※と呼ばれています。
※育休の一定期間を父親に割り当てるもの。1993年にノルウェーが導入し、北欧を中心に広がった。