敬愛人

敬愛大学で輝く「人」「学び」を紹介

TEACHERS/STUDY/LABO

教員・学び・ゼミ

キラリ☆経済学科教員vol.3

経済学部 経済学科 根本敏則教授

2017/10/20

1.専門の分野について

交通(モノの流れ)を⽀配するメカニズムの解明や、その最適化などについて研究しています。もともと⼯学部出⾝で、都市計画、交通計画の研究をしていましたが、その過程で「ロジスティクス」に興味を持ちました。
⼈の交通(電⾞などの交通機関)については研究者もたくさんいますし、皆さんの⾝近にあって興味を持ちやすいものかもしれませんが、モノの交通(流れ)については、どうなっているのか、皆さんからは⾒えにくい部分が多いと思います。そういった意味では、まだまだ解明の余地のある分野であると考えています。
また昨今、宅急便の荷受け問題が取り沙汰されることが多くなってきていますが、これは世の中がモノの交通(流れ)に興味を持ち始めているということですから、世の中のニーズに合った研究であると⾔えますし、今の時代に役⽴つ研究をしているというやりがいもあります。

2.担当される授業、敬愛⼤学の学⽣に期待すること

2つの講義についてお話ししたいと思います。

1. 経済政策
現在、社会的に問題となっている事柄(働き⽅改⾰、荷受け問題など)について取り上げ、その問題の根本がどこにあるのか、なぜ困っているのか?を考えます。また、こういった問題に政府が介⼊してくることがありますが、それはなぜなのか、政府の役割とは何か。これから社会に出る皆さんに、社会問題と政府との関わりについて当事者意識をもって考えてほしい授業です。

 

2. 流通経営論
流通には、物流(物の流れ【⼯場→倉庫→配送納品】)と商流(お⾦の流れ【商談や伝票、決済など】)があります。ここでは物流について詳しく説明していきます。⼀⼝に物流(物の流れ)と⾔っても、⽇々進化・変化しており、昔とはずいぶん変わってきました。現在の物流は、多頻度・少量化が主流となってきており、例えば売れ筋商品だけを1⽇3回、“必要な物を、必要な時に、必要な量だけ⽣産する”「Just In Time⽅式」というやり⽅が⼩売業全体に広がっています。多頻度・少量化のこういった物流を私は「細い物流」と捉えていますが、この「細い物流」は「お⾦は多少かかっても、⼈々の⽣活は豊かになる」というメリットがある半⾯、「慢性的⼈⼿不⾜」「従業員の低賃⾦」などの問題点もみられます。このようなメリットとデメリットのバランスについて、今後どう解決されていくのか、どういう仕組みがあればよい⽅向に向かうのかを考えます。

こういった分野を学ぶチャンスは少ないですが、今後社会に出ると、ほとんどの職業で関わってくることになる分野です。皆さんには、
① 物流が⽀えている仕組み
② 世の中のモノの動き⽅
を知ってほしいと思います。
※物流について興味がある⼈は、「ネット通販時代の宅配便」(2015.⽇本交通政策研究会研究双書)を読んでみてください。

3.在学⽣・受験⽣の⽅へメッセージ

⼤学時代は貴重な4年間です。知識の吸収⼒が最も⾼い時期でもあると思います。様々な分野にアンテナを張って、学⽣⽣活を充実させ、楽しんでほしいです。私は⼤学3年⽣の時、⼯学部で研究助⼿のアルバイトをしていました。その際にフィールドワークなどに触れ、そこで⾯⽩さを感じ、研究の世界に⼊るきっかけになりました。皆さんも「勉強の⾯⽩さ」に早い段階で気づくとベストだと思います。
例えば、社会に出ると最低限必須なスキルのモノサシは⽇々変化していきます。⼤学を出たから〇〇が保証されます、という時代ではなくなったと思います。常に新しいことにチャレンジしながら仕事をしていかなければいけない時代であると⾔えるでしょう。「どんな状況でも⽣き抜ける⼒」(サバイバル能⼒、と私は名付けていますが)、時代の変化の中で⽣き抜ける⼈になってほしいですね。

経済学科