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体を使った表現を学ぶ「演劇ワークショップ」(1・2年生合同ゼミ)

教育学部こども教育学科 1年生・2年生

2022/10/20

教育学部では、卒業必修科目として各学年に演習を配置しています。入学当初となる1年次に「1年基礎演習」、2年次には「2年応用演習」があります。演習はクラス担任制(ゼミ)を敷いており、小グループで各ゼミが活動をしていますが、10月13日(木)は1年生と2年生が合同ゼミの形で「演劇ワークショップ」を行いました。この活動の目的や授業の様子を紹介します。

演劇ワークショップの目的

ワークショップ(体験型グループ学習)をサポートするため、「劇団うりんこ」(以下、「うりんこ」)の4名の団員の方が応援に駆けつけてくれました。「うりんこ」は、愛知県名古屋市に本拠を置く児童劇の専門劇団で、学芸会などの演劇発表の指導、コミュニケーション能力育成の授業等、演劇スキルを使ったワークショップを各地で開催しています。

 

今回の授業では、小学校で学ぶ「表現運動」の意義を演劇を通じて理解し、豊かな表現やコミュニケーションの方法を考えることを主な目的とします。普段、私たちは言葉や動作、表情などの様々な表現方法を使って相手とコミュニケーションをしますが、もっと豊かな表現を知ることで良好な人間関係を築くことができるのではないでしょうか。

「劇団うりんこ」の団員から説明を聞く

授業の様子①「アイスブレイク」

教育学部は、小学校教員を目指す学生たちが集まる学部です。同じ目標を持つ学生同士の仲は大変よく一体感が特徴ですが、異なる学年が合同の授業を受けるのは珍しいことです。アイブレイクをして、緊張をほぐしました。

 

体育館いっぱいに広がり全員で輪を作ったら、団員の方の「よいしょ!」という合図に合わせて、体の前に出した手を片方ずつ交互に入れ替えます。続けて、左右のどちらかの方向を向き、隣の人と対面した場合は、ハイタッチをします。次は、体育館の前半分と後半分に分かれて「無言でスピードじゃんけん」です。どちらのチームがより早く最後の一人にたどり着けるか競争します。勝ち残った人が素早く次の相手を見つけることに苦労をしましたが、2回目では約26秒も短縮できました。

アイスブレイクで緊張をほぐす

授業の様子②「体を使った表現を学ぶ」

十分にほぐれたところで、「体を使った表現」を学んでいきます。目に見えない糸で相手の体を動かして、「ドロドロに溶けたアイスクリーム」と「ぎゅーと絞った雑巾」を表現するよう指示がありました。言葉を使わずに相手を上手に動かすには、アイコンタクトなどによる意思疎通が大切です。

 

続いて、違うテーマを同じセリフを使って演じる様子を「うりんこ」の団員の方の実演から観察します。「どうする?」「待って!?」など、途中で発せられるセリフは同じですが、表情や動作は異なるようです。最初の演技では、深刻にうつむいて迷っている様子ですが、次は、迷いながら恥ずかしそうにしています。学生に質問をすると、「バンジージャンプをするところ」と「結婚指輪を買うところ」という正解が出ました。声の高さや強弱、表情や動作の違いによって、表現されるものが違うことがよく分かりました。

  • 透明な糸で操られる!?

  • 「うりんこ」の団員が実演

授業の様子③「色を体で表現する」

本日の最後の課題は、「色という形のないものを体を使って表現する」です。5~6名の班に分かれて、指示された色をどのように表現するかを考えます。各班が話し合いを行い発表した内容は以下の通りです。

 

「スイカ割の様子で緑を表現する」「餅つき大会の様子で白を表現する」「雪合戦の様子で白を表現する」「キラキラと光り輝く様子で黄色を表現する」「人文字で床に”クロ”と書く」「俳優が誇らしげにレッドカーペットを歩く様子で赤を表現する」など。

 

周りで見ている学生にイメージが伝わり、「緑!」「白!」「黄色!」などと、次々に正確を言い当てる声が聞かれました。体を使った表現が的確にできていたことが分かります。短時間の話し合いで考えを共有して、それぞれの動き方をまとめ、役割分担を決めたチームワークも素晴らしかったです。

「雪合戦の様子」何色か分かりますか?

演習の最終課題

この1・2年生合同ゼミの最終課題は、短い劇を作ることです。これから、ストーリーや配役を決め、練習をして発表を行います。内容や構成は自由ですが、言葉や動作、表情などの様々な方法を使って豊かな表現をすることが求められます。検討の過程では、メンバー間で十分なコミュニケーションをとり、工夫を重ねて完成度を上げることも必要です。どのような劇が誕生するか、楽しみに期待しましょう。

 

学生の感想

普段の生活では、体より言葉を使うことが多いと気づきました。今日のワークショップは、難しいところもありましたが、言葉以外の方法にも注目して表現やコミュニケーションを考えていきたいと思いました。

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