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PBL(課題解決型)授業「キャリア基礎開発Ⅰ」で学生がプレゼンテーション~協力企業などが評価~

経営学科 彌島 康朗教授

2022/08/24

敬愛大学のキャリア教育講座の一つである「キャリア基礎開発」の授業は、PBL(Problem Based Learning:課題解決型)です。卒業し、企業人となる際に求められる思考力を身につけることを目的としています。グループワークを通じて仲間たちと協働し、コミュニケーションをとりながら、協力企業から提示された課題(テーマ)の解決策を考えます。失敗を恐れない前向きな提案が歓迎されます。
前期の「キャリア基礎開発Ⅰ」では、グループごとに担当企業を決め、事業内容や課題の背景にある事柄を調べ、深く掘り下げます。後期の「キャリア基礎開発Ⅱ」では、それをもとに課題解決策を提案します。

協力企業6社から提示された今回の課題(テーマ)

今回の協力企業は以下の6社です。様々な課題(テーマ)を提示してくれました。

クレディセゾン 若年層(18~25歳)が持ちたくなるカードの新サービスを考案せよ
千葉共同サイロ 「新たなサイロビジネスサービス これからの時代に必要とされる新サービスを企画してみよう
ティーエスケー 顧客満足度向上大作戦 ~オンリーワン企業を目指し今私たちができること~
タイヘイ 新たに7事業部目を作るとしたらどのような業界が相応しいか?
アイ・メデックス 新しい時代ニーズにあった製品・サービスづくり <千葉でリビングラボを実現したい>
さくら印刷 就職応援メディアの企画、制作、販売

 

協力企業と意見交換、情報共有しながら資料をまとめる

学生たちはAグループ10チームとBグループ10チームの計20チームに分かれ、担当する企業を決めて解決策の立案に取り組みます。課題を解決した場合に得られる成果についても考えます。取り組む前に、各企業にビジネス概略をプレゼンテーションしてもらい、質疑応答する機会を設けました。また、各グループごとに担当する企業の担当者と入念な事前ミーティングを行い、課題の意図を共有してから臨みました。内容が煮詰まってくると、学生たちは再び企業の担当者とコンタクトを取り、時には現地を訪問してインタビューも行いました。

評価と振り返り

前期の終盤に、各チームごとに調べたことをまとめ、最終プレゼンテーションをします。プレゼンテーションの内容は、協力企業だけでなく、千葉商工会議所や千葉県庁の関係者14人が評価を行います。今回の評価項目は以下の通りです。

課題設定 多様な視点でテーマ分析ができているか
取り組むべき課題を絞込み、明確に設定できているか
その課題でなければならない根拠を明示できているか
ゴール設定 ステークホルダーを具体的に提示できているか
リスク、リターンを根拠をもって提示できているか
現実的で当事者意識を感じる内容だったか
発信設定 プレゼンテーション提示資料(構成/デザイン/資料)
論理的で理解しやすいプレゼンテーションだったか
表現意欲(声量/明瞭/テンポ/目線/姿勢/ゼスチャー)

これらの評価結果に、チームの学生たちによる相互評価を合わせ、重み付け※をして集計します。その結果、AとBそれぞれのグループで、以下のチームが優勝しました。
・チーム「目指せ社員満足度100%」
・チーム「モノクロ」
各チームごとにグループワークを振り返ってもらい、改善に向けた具体的なコメント発表もしてもらいました。学生たちは、「後期もこの授業を選択し、企画を完成させたい」という意欲が湧いたようです。企業や各団体で活躍する方々のアドバイスが受けられたことは、大変貴重な機会となりました。ご協力いただいた企業の社長、社員の皆様、千葉商工会議所、県庁関係者の皆様、ありがとうございました。

※評価の重み付け…各企業、商工会議所、県庁関係者の評価を1、各チームが自らのチーム以外を評価したものを0.5とし、100点満点に換算し直して評価しています。

  • チーム「目指せ社員満足度100%」

  • チーム「モノクロ」

 

私が評価項目ごとに各チームを分析してみると、それぞれの特徴が見えて興味深いです。企業評価とチーム相互評価が一致しているチームとそうでないチームがあったりします。これまで蓄積されたデータと合わせ、分析を進めていきます。