日本にいると今回の侵攻はどこか遠い国で起っていることのように感じてしまうかもしれません。オルガさんは現地人ならではの検索ワードで戦争の様子を学生に見せてくれました。煙が燻り一面瓦礫だらけの写真の場所にはもともと洗練された街並みがあったといいます。ブチャという地域ではオルガさんの友人も住んでいました。幸い友人の方は逃げられたようですが、犠牲者は多く、埋葬するための深く大きな穴が掘られている報道写真を皆で見ました。
ウクライナでは18歳から60歳までの男性の出国が禁止されているため、その男性の家庭の子供や女性、高齢者などがまだ多く現地に残っているといいます。「ウクライナでこのようなことが実際に起こっているのだということを現実感をもって知ってほしい」と学生へ訴えました。
戦争が起きた日のことも話してくれました。オルガさん自身もまさか21世紀のヨーロッパで「全面侵攻」が起こるなどとは直前まで思いもよらなかったといいます。逃げ込んだ集合住宅の地下には物資どころか寝床もありません。ダンボールの上にマットを敷いて、見ず知らずの方とともに休息をとりました。空爆の隙をみて食糧を買いにいったものの、お店にはすでに大行列ができていて、パンは売り切れ。小麦は手に入りましたが、パンづくりのためのドライイーストはどこにもありません。
ウクライナの西部国境からポーランドへ逃れようとしましたが、安全と思われた西側でも空爆を知らせる警報が鳴り響き、避難していた方の中には国外脱出を諦めて戻った方もいたようです。その後、オルガさんはなんとかポーランドにたどり着き、敬愛大学国際学部の同期生を頼りに来日することになります。詳細については現在、発表資料を作成中とのことです。学生の皆さんにはいずれお伝えできる機会があるでしょう。
今後、オルガさんは学内のボランティアサークルが企画したチャリティーバザーや募金活動などに協力し、ウクライナ避難民への支援を行っていく予定です。現在、学生の皆さんの協力を募集中です。ぜひ2号館1階の事務局で声をかけてください。