観光地域づくり法人(DMO)の機能・仕組みや、観光地経営、地域産業について学んでいる三浦ゼミ(2年生)を紹介します。三浦知子教授は、観光地経営・都市農村協働を専門としています。三浦ゼミでは書籍『DMO 観光地経営のイノベーション』を教科書とし、チームごとに興味あるテーマを設定して活動しています。千葉県の自治体、企業や団体の協力を得て、観光産業の現状についてグループワークや調査、発表を行います。学生が主体となって深く学ぶ、アクティブ・ラーニング、課題解決型授業(PBL)です。2021年度後期は以下4つのグループに分かれました。
1.勝浦の朝市活動グループ
2.浦安の屋形船活動グループ
3.房総ジビエ活動グループ
4.SakeBase(日本酒)活動グループ
今回は2.浦安の屋形船活動グループ、4.SakeBase(日本酒)活動グループに関係する団体や自治体、企業の方をお招きし、お話を聴きました。
ディズニーリゾートだけじゃない、浦安市の魅力を伝えたい!「浦安屋形船プロジェクト」
「浦安屋形船プロジェクト」は、浦安市の観光プラン「浦安屋形船」の魅力を知ってもらいたいという目的で活動中です。屋形船からの風景を撮影し、YouTubeやSNSで拡散することによりPRを行うという提案を実現するため、まずは浦安市の歴史や屋形船の文化などについて学びました。
今回は浦安観光コンベンション協会の笠木様、浦安市 商工観光課の米川様にオンラインでゼミに参加いただきました。屋形船の歴史や浦安市の観光資源となっている船宿※をはじめとした遊漁船業についての講演のほか、浦安屋形船を利用する客層や地域、コロナ禍における観光PRの現状などの貴重なお話を伺いました。これを参考に、次回はPR動画の構成案をチームで話し合います。チームでのディスカッションを重ねることで、学んだ知識を現実の課題に合わせて応用する力やコミュニケーション能力が飛躍的に向上します。
※船宿: ここでは、釣り船、屋形船などを手配したりする業務を行う事業所を指します。
1枚目:質問の準備やセッティングを行うチームメンバー
2枚目:オンラインでの質疑応答の様子
日本酒の魅力を世界に発信する企業「SakeBase」宍戸社長から地域産業を学ぶ
「SakeBase(日本酒)活動グループ」は、地域でキラリと光る取り組みを行い、急成長しているSakeBase株式会社の取り組みについて調べています。敬愛大学のある千葉市稲毛区に本社があり、日本酒専門店として販売や製造を行っている企業です。「酒米を作るための水田の開墾から酒造りを始める酒屋」として、自社で育てた酒米でオリジナルの日本酒を製造する、ユニークな経営を行っています。興味ある企業にスポットを当てて調べることで、地域産業の現状や課題がより身近に感じられ、観光資源や観光地経営についての知識・理解が深まります。
この日は、SakeBase株式会社の宍戸涼太郎社長をお招きし、日本酒や伝統産業の未来について伺いました。日本酒の秘める大きな可能性や海外展開についてだけでなく、起業のきっかけなども詳しくお話いただきました。
持続可能な社会の実現の一環として、酒米を作る水田では化成肥料や殺虫剤、除草剤を使用しない農法を実践しているそうです。環境負荷の少ない農法での栽培を行った結果、夏季にホタルの舞う水田になったそうです。
宍戸社長は「これからの企業は利益追求だけでなく、社会貢献活動を経営の中に組み込むことが大事」と語り、就職活動を控える学生にとっては非常に参考になるお話でした。
学生からは「事業展開で苦労したことは何ですか?」「酒米づくりの過程で大変だったことを教えてください」などの質問があり、これからの企業の在り方について興味関心を深めたようです。
1枚目:宍戸社長から「夢はありますか?」と聞かれる学生
2枚目:SakeBase株式会社の販売するオリジナルの日本酒
三浦教授からのコメント
個別のグループワークのテーマは、私の研究分野や興味から選びました。奇しくも、浦安市は漁業、SakeBaseは農業に根ざした活動、事業です。千葉県にとって、第1次産業は今後の鍵となると思っています。学生の皆さんが現状から地域の歴史や文化を学び、こうしたことに関心を持ってもらえると何よりです。
※浦安屋形船のPR動画撮影は1/22(土)に予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴うまん延防止措置に伴い、学生は実施を見合わせ、最終的に前日に催行中止が決定されました。企画の催行に向けては目に見えない調整が必要とされます。浦安観光コンベンション協会の笠木様のきめ細やかなご対応等、学生はたくさんの学びを得ることができました。この場を借りて御礼申し上げます。
地域の方との交流を深めながら、今後も一緒に千葉を盛り上げていきたいと思っています。
国際学部の学び