- 学校給食は、単なる昼食ではなく、子どもたちの健康や食習慣、協力する心などを育てる教育活動の一つである。
- 給食を通して、食文化や生産者への感謝、社会や人とのつながりを学べることを知った。
- 栄養士は、献立作成だけでなく、食材の発注、衛生管理、アレルギー対応、食育指導など、幅広い仕事を担っている。
- 子どもたちの安全と成長を支えるためには、栄養士、教員、調理員、保護者などとの連携が欠かせない。
- 将来教員になった時には、栄養士と協力し、給食の時間を子どもたちにとって学びのある時間にしたい。
20秒でわかるこの記事のポイント
2026年7月14日の第13回は、本年度お招きしているゲストスピーカーの最終回となり、千葉市立おゆみ野南小学校で主任栄養士としてお仕事をされている清水郁美先生をお招きしました。子どもたちへの関わり方も、講師ご本人のプロフィールも、これまでにお招きした先生方とは少し変わりました。しかし、今の学校にとってとても重要な役割を担っていることでは、教員とまったく変わりません。ふだんなかなかうかがうことのない栄養士としてのお仕事、また、ふつうには見えにくいところでの学校給食の工夫や配慮など、新しく知ることの多いご講話でした。
(教育学部長 伊坂淳一)

受講した学生のことば―食を通して子どもを育てる、栄養士と教員の連携
はじめて知った「給食の目標」
今回のご講話では、千葉市立おゆみ野南小学校で主任栄養士として勤務されている清水先生から、栄養士の仕事や学校給食の役割についてお話を伺いました。私はこれまで、栄養士の仕事は献立を考えたり、栄養バランスのよい食事を作ったりすることが中心だと思っていました。しかし、栄養士は子どもの健康を支えるだけではなく、食を通して子どもの成長や学びを支える教育者としての役割も担っているということを知り、教育に対する考え方が大きく広がりました。
特に印象に残ったのは、「学校給食は教育活動の一環として定められている」というお話です。私は給食を昼食の時間というイメージで捉えていましたが、学校給食法には七つの目標が定められていて、健康の保持増進だけでなく、食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身に付けること、協力する心を育てること、自然や生産者への感謝の気持ちを育てること、伝統的な食文化を理解することなど、多くの教育的な目的があることを知りました。給食は単に栄養を摂る時間ではなく、子どもたちが食を通して社会や文化、人とのつながりを学ぶ大切な教材であるということが分かりました。

栄養士の立場から子どもを支える
また、栄養士の一日の仕事についても興味深く感じました。献立を作るだけではなく、食材の発注や衛生管理、アレルギー対応、調理員との打ち合わせ、給食時間の巡回、食育指導など、多くの業務を担っていることを知りました。特に、献立を作成する際には季節感や行事、予算、一食当たりの栄養バランスなど、さまざまな条件を考慮していることに驚きました。子どもたちに「おいしい」と感じてもらいながら、必要な栄養を摂ってもらうためには、多くの工夫や努力が必要であり、栄養士の専門性の高さを感じました。
さらに、アレルギー対応の重要性についてのお話も印象に残りました。現在では多くの子どもが食物アレルギーを持っており、命に関わる事故を防ぐためには、担任や保護者、調理員、栄養士などが情報を共有し、細心の注意を払う必要があるということを学びました。一人でも確認を怠ると重大な事故につながる可能性があるので、学校全体で連携することの大切さを改めて感じました。
また、「子どもたちは家では食べない野菜でも、学校では友達と一緒なら食べられることがある」というお話も心に残りました。給食は栄養を補うだけではなく、苦手な食べ物に挑戦したり、食べる楽しさを感じたりする機会にもなっていることが分かりました。子どもたちの成長を近くで見ることができることが、栄養士としてのやりがいだという言葉からも、子ども一人一人に寄り添いながら仕事をしていることが伝わってきました。

専門職の方々との連携の大切さ
私は将来小学校教員を目指しているので、今回のご講話を通して、教師も栄養士と協力しながら子どもの成長を支えていくことが大切だということを強く感じました。学級担任だけで子どもを育てるのではなく、栄養士や調理員、養護教諭など多くの専門職と連携することで、よりよい教育につながるということを学びました。また、給食の時間を単なる食事の時間として終わらせるのではなく、食材や生産者への感謝、食事のマナー、栄養の大切さなどを、子どもたちと一緒に考える時間にしたいと思いました。
今回のご講話から、栄養士は「食」を通して子どもの心と体の成長を支える重要な存在であるということを学びました。そして、学校給食は子どもたちの健康を守るだけではなく、生きる力を育てる「生きた教材」であるということも理解することができました。教師になった時には、栄養士との連携を大切にしながら、給食の時間も子どもたちにとって学びのある充実した時間となるような学級づくりをしていきたいと思いました。
