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「教科書よりわかりやすい!」創作劇で深まる道徳の学び 「創作道徳劇」を実際に小学生の前で演じました

教育学部 1・2年合同ゼミ

2026/02/17

教育学部では、1・2年生合同でゼミを行っています。後期は、6~7人のグループで小学校の道徳授業で活用できる創作劇づくりに挑戦しました。テーマは「多文化共生」です。学生がシナリオを考え、台本を書き、役作りと練習を重ねてきました。そして、12月の表現劇コンテストで、みごと優勝したチームが、実際に小学校で子どもたちの前で演じることになりました。1月29日(木)、千葉市立園生小学校に向かったのは、「外国からの転校生」という劇を創ったチェリーブロッサムチームです。

共生社会への問いを演劇に ~教育学部「表現劇コンテスト」開催~

表現劇を発表

【ある春の朝】

ベトナムからリンという1人の転校生がやってきました。さっそく、席の近くの子どもたちが、「よろしくね!リンちゃん、わたしはさくら。なんでも聞いてね!」、「オレはゆうと!スポーツ大好き!休み時間、一緒に遊ぼ!」とリンを歓迎しています。しかし、「……よろしく。日本語、大丈夫かな?」と、はるとは少々よそよそしい感じです。

 

【ある日の給食時間】

今日は「お弁当の日」です。リンのお弁当はフォー。ベトナム人のお母さんの味です。みんなは興味津々。みんなから「一口頂戴」とつまみ食いされ、ちょっと困惑気味。でも、放課後、みんなと公園で遊ぶ約束をしました。少し距離が近くなったようです。

【放課後の公園】

ゆうとが「みんなで鬼ごっこしよ!」と声をかけますが、リンは、「私はブランコにする」といって走って行ってしまいました。はるとは、「公園まで来て、なんでみんなとやらないの?一人で遊ぶなんて、変な奴」と怒り気味です。はるとの様子にリンは少し悲しそう。

 

「リンさんの国ではどうやって遊んでたの?」とゆうとが聞くと、「みんなが同じ場所にいれば一緒に遊んでいるんだ。走るのが好きな子も、絵を描くのが好きな子も、同じ場所にいればみんな遊び仲間なんだって、ベトナムではそう言われてたよ!」とリンが答えました。それを聞いていたはるとは、「なるほど…一緒にいながら別のことをするのも、友達ってことか!」と思わずつぶやきました。

 

「国によって文化や考え方が全然違うんだね!」(さくら)。「色んな国のことを知るために、多文化フェスティバルやるのはどう?」(ゆうと)。「いいじゃん!先生に言ってみようよ」(はると)。

 

次の日、さくらが、多文化フェスティバルのことを先生に提案する…と話は続きます。

土田教授による道徳の授業

チーム「チェリーブロッサム」の「外国からの転校生」の劇を受けて、土田先生が道徳の授業を続けました。

 

先生:皆さん、大学生の劇はどうでしたか?

児童:教科書読むよりわかりやすかった!

先生:はるとは最初態度が悪かったよね。でも最後の方は全然違ったよね。変わったのはなぜだろう?

児童:お昼を食べたり、一緒に遊んだり、ダンスをしているうちに、だんだんと変わっていったのだと思う。

先生の「外国からの転校生とかかわる時に大事なことはどんなことだろう?」という問いに、児童からは「おもてなしをする」だけでなく、「国が違っても同じ対応をする」等の意見がでました。そこで、さらに一歩進んで、日本の学校の活動と対立するケースについて尋ねました

先生:もし、学校で掃除をする習慣のない国から来た転校生だったらどうしますか?

児童:最初から掃除をしないとだめだよと言うのではなく、まずはどうして掃除をしないのかを聞く。

児童:うん。そのあとで、なぜ掃除をするのかを説明したらいいと思う。

 

子どもたちは、前のめりになって学生の劇を見つめていました。そして、目の前にいるはるとやリンに感情移入しながら、相手の文化を理解していく大切さを感じていました。

写真は、授業の最後に感想文を書いている子どもたちです。過去に同じような経験をした児童が、「はるとと同じような気持ちだった」と振り返っている児童もいました。

 

授業後のふりかえりの記述をみると、子どもたちにとって多文化共生について考えるきっかけとなったことがわかりました。また、学校を後にする際には「はるとさん、また来てね!」等と声をかけられていました。学生は、この実践をふりかえって、「児童が真剣な表情で見てくれてよかった」、「自分たちが考えてほしいポイントや劇の内容を理解していて、自分たちの表現を認められた気がして、とてもうれしかった」等のコメントを残していました。「早く多くの子どもと関わりたいと切実に思った」とコメントする学生もおり、教師になりたい気持ちを強くもつことができた実践になったようです。

【前回の様子】共生社会への問いを演劇に ~教育学部「表現劇コンテスト」開催~