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毎週金曜、理科室を開放!教員志望の学生が実験を学び直す「理科実験リトライLabo」がスタート!

教育学部

2025/11/20

敬愛大学教育学部で、小学校教員を目指す学生が自由に理科実験を復習できるよう、毎週金曜日に理科室を開放する「理科実験リトライLabo」がスタートしました。理科室には、教職センター主催の「キャッチアップ講座」を担当する新田先生が待機しています。東京都の中学校で理科教諭を長年務められた新田先生から、経験豊かなアドバイスを受けられるほか、さまざまな実験器具や薬品を安全に扱うことができます。

 

「理科実験リトライLabo」では、教育実習前に、担当する理科の実験を予習したり、児童に安全に指導するために小中学校のときの実験をやり直したりすることができ、顕微鏡や電気回路の装置などの機器や実験機材を「どれでも、誰でも、いつでも、何度でも」自由に扱えるのが特徴です。苦手意識のある理科の指導を、卒業までに得意教科に変えるねらいもあります。

 

新田先生は、小・中・高校で理科実験に充てられる時間が減少していることを懸念しています。特に、地学分野は高校で選択しない生徒が多く、地学実験をほとんど経験しないまま卒業するケースも少なくありません。近年では、実験の様子を動画で見せるだけで授業を終えてしまう学校もあるといいます。実際に自分で手を動かして実験を行ってこなかった学生が次の世代の理科教育を担うのには不安があります。そうした背景から、理科実験を学び直せる場として整えられたのが、「理科実験リトライLabo」です。

段階的に理解できるようにプリントも用意してくれる新田先生

11月14日(金)、教育学部の1・2年生3名が理科室を利用しました。今回は「電流」についての実験の復習です。理論上は問題のない電気回路でも、現実には電池の電圧低下や接触不良などにより、思いどおりに回路が繋がらない場合があります。模擬授業で理科実験を行う難しさがここにあります。参加した2年生は理科が苦手教科だったといい、高校ではあまり理科実験をやった覚えがないと言います。「苦手な理科を克服するために来た」と話しつつも、終始楽しそうに実験をしていました。

 

新田先生は、理科実験に取り組む人数について「2~3人のグループがいちばん望ましい」と説明します。5~6人の班ごとに実験を行わせると、どうしても理科好きの子供が主導権を握り、他の子は見ているだけになりがちです。2~3名で互いに協力しながら、子供同士の言葉で教え合う環境を用意することが、理科の学びだけでなく社会を生き抜く力を身につけさせる教育になるのです。

学び直したいテーマ+αで、理科のおもしろさと出会う時間に

この日は実験の合間に、新田先生が石の薄片を偏光レンズ越しに見せてくれる一幕もありました。レンズを回転させると光の向きが変わり、石に含まれる鉱物がさまざまな色に輝きます。学生たちは「万華鏡みたいにきれい」と驚いた様子で見入っていました。自分が復習したい内容だけでなく、理科のおもしろさに新たに出会える――そんな学びの場が、「理科実験リトライLabo」なのです。

学生が実験をしている合間に顕微鏡を準備する新田先生

将来、教員になったら子どもたちが仲良く楽しめる実験にしたいと教育学部2年生