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自然体験で育つ指導力—安全管理や協働を学ぶ野外実習

教育学部 教授 小宮山 伴与志

2025/09/19

教育学部では、2025年度から新科目「体験的に学ぶⅠ(野外実習)」を開講しました。この授業は、自然の中での様々な体験を通じて、教員として必要な実践力を身につけることを目的としています。

小学校の野外活動を指導していくために

小学校では、宿泊訓練や林間学校など、子供たちが自然の中で学ぶ機会があります。そうした場面では、単に引率するだけでなく、安全に配慮しながら子供たちの成長を支援する力が求められます。テント設営や火おこし、野外炊飯といった基本的な技術はもちろん、何よりも重要な「安全管理」と「リスクマネジメント」を学びます。また、キャンプを通して協調性やリーダーシップを育む方法を実践的に学ぶことも可能です。

体験を通じた実践的な学び

受講生たちは8月まで、キャンプ設営実習を行い、救急救護の方法を学び、自然の中で活動する意義について理解を深めてきました。そして9月4日(木)から、実際に千葉市少年自然の家(長生郡長柄町)に赴き、1泊2日の野外実習を行いました。

 

初日の午前中はあいにくの雨模様。野外実習当日に晴天に恵まれないことはよくあることです。そんな時でも柔軟に子供たちに学習の機会を与えねばなりません。学生たちは屋内でパラスポーツのボッチャやモルックを体験し、柔軟な対応方法を学びました。

 

 

プロジェクトアドベンチャーの様子

午後には雨が止んだので、「プロジェクトアドベンチャー」という特別なプログラムに取り組みました。プロジェクトアドベンチャーとは、一見達成困難に思える課題に全員で協力して取り組む活動です。例えば、大きなバランスボードの上で参加者全員が端から端まで移動し静止する課題や、ロープを使って地面に触れることなく障害物を避けながら遠くの台に乗り移る課題などです。

 

参加した学生たちは、仲間の動きに細心の注意を払い、自分がどう行動すれば目標を達成できるかを真剣に考えて実践していました。この経験が、将来教員として子供たちを自然の中で指導する際に大切な力となります。

 

夜にはキャンプファイヤーも実施しました。崩れない薪の組み方や火の付け方といった技術的な面だけでなく、火を囲んでの語り合いを通じて、人と人とのつながりの尊さを体感したことでしょう。

  • ロープワークは難易度高め!協力して挑む

  • 最後には全員が協力して課題を達成できました

キャンプインストラクターの資格取得も

この授業を履修し、試験を受験することで「キャンプインストラクター」の資格を取得することができます。これは日本キャンプ協会が公認する資格で、野外活動に必要な各種能力の基礎を持っていることを証明するものです。千葉県・千葉市の小学校では野外活動を取り入れている学校が多く、教員採用試験でもこの資格は有利に働きます。実際にこの資格を活かして学校現場で、プログラム作成からリスクマネジメント、管理運営等を率先して引き受け、より効果的な学びを引き出すことのできる教員として活躍してほしいと考えています。

夕食に向けて火起こし

野外活動で育つ、自然へのまなざし

子供たちは自然の中での体験を通じて、環境を大切にする心や、仲間と協力して問題を解決する力を育みます。将来、その手助けができるよう「体験的に学ぶⅠ(野外実習)」で一緒に学んでみませんか。

 

自然の中で心を解放して過ごせた2日間は非常に充実した時間でした。この経験を通して得た「自然と仲間と向き合う大切さ」や「子供の力を引き出す関わり方」は、将来教師になったときに必ず活かしていきたいと思いました。
F・Hさん
F・Hさん

プロジェクトアドベンチャーでは、アスレチックなどで実際に体を動かし、また一人ではなく仲間との協力やコミュニケーションをとり、課題をクリアしていくことで人間関係の育成につながると感じました。
Y・Tさん
Y・Tさん

  • 飯盒で炊いたお米でのカレーライスは格別です!

  • キャンプファイヤーを囲んで、仲間たちと語り合いました