敬愛人

敬愛大学で輝く「人」「学び」を紹介

TEACHERS/STUDY/LABO

教員・学び・ゼミ

学生たちが起業!佐竹ゼミで実践的に学ぶ「起業体験プログラム」

経済学部 教授 佐竹 恒彦

2025/08/18

経営学科の佐竹 恒彦教授が担当する2年生ゼミでは、学生たちが実際に株式会社(模擬会社)を立ち上げるユニークなプログラムが行われています。このプログラムでは、ゼミ生同士で株券を発行し、資金を集め、利益を上げ、税金を納めて配分するという、起業に必要な一連の流れを実際に体験できます。

 

※「KEIAI起業体験プログラム」は、東京証券取引所の「起業体験プログラム」に基づいた敬愛大学経済学部経営学科に所属する学生用の教育プログラムです。

昨年の会社設立の記事はこちら

7月16日と23日のゼミは、ゼミ生たちがこれまで練り上げてきた事業計画案の発表会です。最も優秀な事業計画をゼミ生同士で選んで、その事業を起こします。発表チームは全部で7チーム。実現可能性が高い小さなものから、壮大な計画までさまざまです。学生食堂の利用者を増加させるためのドリンクバーサービス、買い物弱者向けの代行サービス、アジア人観光客をターゲットにしたレンタルハウス事業、さらには野球塾の運営などが提案されました。

  • お年寄りなどの買い物弱者に向けた買い物代行サービス

  • 学生食堂の利用者を増やすためにドリンクバーを設置する事業

事業計画における重要な要素

佐竹教授は、事業計画を立てる上で「ターゲット設定の重要性」を強調しました。事業の成功には、楽観的な見通しは禁物であり、予測できない事態が起こる可能性を常に考慮する必要があると指導しています。その上で、不確実性の中でも最大限の確実性を追求し、リスクを最小化する方法を取るようにとアドバイスがありました。

注目を集めた「アパレル事業」

ゼミ生の発表の中で、特に注目を集めたのが「服を売らないアパレル事業」です。ファッションが好きなゼミ生2名が、「同じ服を着るのではなく、新しいファッションにチャレンジしたい」という思いを軸に、服の廃棄という社会問題解決に資する事業を提案しました。現在、日本では1日あたり1200トンの衣服が焼却されています。服の廃棄を減らすために、敬愛大学の学生をターゲットにして、服の物々交換の場を提供するというアイデアです。1500円の入場料を支払い、3着の服を持ってくることで、別の3着の服と交換できるという仕組みです。すでに同形態の事業が日本国内で成功していますが、敬愛大学の学生に参加者を絞ることで、ターゲット層が明確になり、参加者が欲しい服を見つけやすくなること、大学内の施設を使うので施設利用料が掛からないという優位性があります。

 

佐竹教授は、この事業アイデアについて非常に高く評価しました。特に、初期投資が少なく、ビジネスとしての実現可能性が高い点が支持されました。千葉市稲毛区に本社を持つアパレル企業から廃棄品を提供してもらうことができるのではないか事業拡大に向けたアイデアも提案されました。また、テストモデルとして小さな規模から始め、状況を見ながら段階的に拡大していくことが可能だとされ、とても面白い事業だと評価されました。

会社設立に向けて

7つチームの発表後、議論を重ね、ゼミ生たちは「服を売らないアパレル事業」を今年度の起業計画として選びました。この事業の代表取締役社長には、提案者の経営学科2年生Iさんが立候補し、会社の設立準備が進められています。株式会社は10月1日に設立され、その後、株主総会を経て正式に会社名と社長が決定されます。

このゼミ生による起業活動は、「敬愛人」サイトでも引き続きお伝えしていく予定です。

会社設立に向けて佐竹教授がサポート

【昨年度】『KEIAI 起業体験プログラム』のまとめと振り返り-株主総会の開催と会社の解散-