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道徳劇で小学生の心が揺れる!大学生の試みが生んだ深い学び

教育学部 准教授 佐藤 孔美

2025/02/28

1月30日(木)、千葉市立有吉小学校において、敬愛大学の1・2年生の13人が2グループに分かれて道徳劇を演じました。今年度、1・2年合同ゼミでは、「善悪の判断」というテーマのもと、小学校道徳科で活用できる劇を創る課題に取り組んできました。例年は、実際に演じてプロの役者に講評してもらうまでの活動でしたが、今年度は高評価を受けた2グループに道徳劇を実際に小学校で演じてもらい、子供の反応を見る機会を得ました。

(【動画あり】プロの役者の前で演じた演劇の様子はこちら

小学校の子供たちに道徳劇を上演

Aグループ:「教科書の貸し借り」の授業の様子

Aグループは、「ルールを守る」というテーマです。学校では教科書を貸してはいけないルールがあったにもかかわらず、困っている友達に教科書を貸すか、ルールを守るかで葛藤する主人公の心情を表した劇でした。Bグループは、母親との約束を守るべきか、友達との約束を優先させるべきかで迷う主人公の心情を表した劇です。いずれの劇も子供たちは真剣に見てくれました。

道徳の授業を展開

まだ教育実習を経験していない1・2年生でしたので、道徳の授業は大学の教員が行いました。Aグループの方では、「あなたがたくや君だったら、ルールを守りますか。友達に教科書を貸しますか?」という発問に、子供たちの意見は大きく二つに分かれました。そこで、机を向かい合わせにして話し合いました。「友達が困っているから貸します。」「ルールは守るものだから、貸さない方がいいです。」初めはこのような意見が出ていましたが、「やっぱり困っている人を助けることが大事でしょ!」という意見が出ると、反対の立場の子供たちは「そうだよね…」と心が揺れ動きます。しかし一方で「何か理由があってルールができたのだから、ルールには意味があると思います。」という意見が出ると、また判断が揺れ動きます。このように、子供たちの心は葛藤を繰り返していました。

Bグループ:「約束」の授業の様子

演じた後の大学生の感想

「自分たちが演じた道徳劇でこんなに子供たちが考えてくれるなんて思いもしなかった!」「今まで一生懸命道徳劇を練習してきてよかった。来年も頑張りたい!」という声が大学生から聞かれました。来年は学生たちの意識の中に、子供たちの前で実際に演じてみたら子供たちはどのような反応をするのか、という新たな視点ができていくのではないでしょうか。

 

 

【動画あり】教育学部の学生たちが演じる道徳教材 ~演劇で問う「善悪の葛藤」~