アメリカ・ウィスコンシン州で行われた12日間の海外スクーリングを終え、学生たちは多くの学びと出会いを持ち帰ってきました。海外スクーリング報告会の記事では伝えきれなかったものの、現地では、授業や交流、日常のさまざまな場面で、学生一人ひとりが考え、感じ、学ぶ時間を過ごしていました。今回の記事では、学生たちが現地でまとめたレポートをもとに、アメリカの学生との交流や、日本語学習のサポート体験など、現地での様子や気づきの一部を紹介します。海外という環境の中で、学生たちは何を感じ、どのような学びを得たのでしょうか。
ウィスコンシンで見つけた、それぞれの学び――国際学部で海外スクーリング報告会を開催
現地学生との交流で感じたこと-UWMの学生との交流会-
海外スクーリング2日目には、UWM(ウィスコンシン大学ミルウォーキー校)の学生との交流しました。夕方からはボウリングやビリヤードを通して、現地の学生と親睦を深めました。
3年生Nさん 積極的に話しかけてくれる文化に驚いた
アメリカの学生はとても積極的に話しかけてくれ、日本との文化の違いを強く感じました。日本の文化に興味を持ち、日本について多くの質問をしてくれたことも印象に残っています。また、日本ではあまり見られないような、自分の意見をはっきりと伝える姿勢にも驚きました。最初は戸惑いもありましたが、次第にその明るさやフレンドリーさが心地よく感じられるようになりました。日本とアメリカ、それぞれの文化には良さがあり、違いを知ったうえで互いを理解することの大切さを学びました。
1年生Oさん 言葉が完璧じゃなくても、気持ちが伝わった
完璧な英語を話すことはできませんでしたが、ジェスチャーや簡単な単語を使うことで気持ちが伝わり、とても嬉しかったです。相手も理解しようとしてくれたことで、言葉を越えて通じ合うことができました。ボウリングでは、うまくいかない場面でも「one more!」と声をかけてくれるなど、温かな雰囲気の中で交流を楽しむことができました。
心を支える存在-セラピードッグとの出会い-
ウィスコンシン州立大学のキャンパスでは、学生の不安やストレスを軽減することを目的としたセラピードッグがおり、学生たちは実際にキャンパス内で犬と触れ合う様子を見学しました。
2年生Iさん 心を支える存在としてのセラピードッグ
キャンパス内で犬を連れて歩く姿を見て、日本ではあまり見られない取り組みだと感じました。私自身も犬を飼っているため、動物と触れ合うことで気持ちが落ち着いたり、癒やされたりする感覚には共感できました。セラピードッグが身近にいることで、学生の不安やストレスが少しでも軽減されるのではないかと感じました。また、日本でもこのような活動が広がれば、心の支えとなり、助けられる人が増えるのではないかと考えるようになりました。
一台のバイクから伝わる記憶-Harley-Davidson博物館-
Harley-Davidson博物館を見学しました。実際のバイクや歴史的資料を通して、アメリカのバイク文化に触れる機会となりました。
2年生Iさん 展示を通して伝えられる記憶
数ある展示の中でも、特に印象に残ったのは、東日本大震災で津波に流されたバイクの展示です。約6,500km離れたカナダの海岸で発見されたこのバイクは、錆びた状態のまま展示されており、津波の恐ろしさや自然の力の大きさを強く感じました。バイクという一つのモノを通して、震災の記憶や人々の思いが伝えられていることに心を動かされました。展示を見ることで、震災を「過去の出来事」として終わらせず、記憶として伝え続けることの大切さを考えるきっかけになりました。
日本語学習のサポート-日本語土曜会-
地域の日本語学習支援イベントである「日本語土曜会」に参加しました。現地に暮らす日本人家庭や日系アメリカ人の子どもたちを中心に、日本語や日本文化を学ぶ場で、学生たちはサポート役として活動に関わりました。
3年生Sさん 相手に合わせた伝え方の大切さを実感
日本語を学ぶ子どもたちと一人ひとり向き合いながら活動しました。相手が日本語学習者であり、なおかつ子どもであることを意識し、「はっきり・さいごまで・みじかく」伝えることを心がけました。前半の活動では、これまでの経験も生かしながら、子どもと自然にコミュニケーションを取ることができました。活動を重ねる中で信頼関係が生まれ、感謝の言葉をもらえたことが、大きな自信につながりました。後半では、日本語がほとんど話せない子どもを担当しました。言葉だけでのやりとりが難しい場面では、メモを使って筆談をするなど工夫することで、円滑にコミュニケーションを取ることができました。この経験から、コミュニケーションは会話だけでなく、さまざまな方法があることに気づきました。
1年生Mさん 「”学ぶための言葉”を学ぶ支援」の大切さ
「日本語土曜会」での見学や活動を通して、言語の壁によって学習に困難を抱える子どもたちの存在について考えるようになりました。現地の先生や保護者の話を聞き、アメリカでは英語を母語としない子どもたちへの言語支援が、教育の一部として行われていることを知りました。言葉が十分に理解できないまま授業を受けることは、不安や孤立につながります。「日本語土曜会」では、先生が子どもたちに優しく声をかけ、安心して話せる環境をつくっていました。その姿を見て、「”学ぶための言葉”を学ぶ支援」の大切さを実感しました。日本でももっと外国ルーツの子どもたちへの日本語教育やサポート体制が広がってほしいと感じました。
4年生Mさん 準備があってこその学びと楽しさ
2回目の「日本語土曜会」では、日本の文化を体験してもらうために縁日を開きました。学生はスーパーボールすくいなどを担当し、道具の使い方を工夫して説明することで、子どもたちの興味を引き出しました。活動後に保護者から感謝の言葉をもらい、準備してきたことが形になったと感じました。教えることの難しさと楽しさの両方を学ぶ機会となりました。
海外という環境の中で、人と関わること、伝えること、学びを支えることの意味を、実体験を通して考える時間となりました。後半ではさらに広がった学びと体験を紹介します。ぜひご覧ください。
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