ここまでの3日間、異国の地での初めての体験に戸惑いながらも、学生たちは順応し始め、さまざまな学びを得ています。次回の記事では、スペイン滞在の後半に入る4日目以降の充実した日々をお届けします。引き続き、現地での挑戦やさらなる成長の様子をお楽しみください。
今後の記事もどうぞお見逃しなく!近日中に続編をアップいたしますので、どうぞご期待ください。
海外スクーリングの履修生たちは、スペインで異文化に触れながら貴重な体験を積みました。出発前の準備や期待を胸に、初めての地に挑む彼らの姿を追います。スペインでの新鮮な体験や学びを通じて、学生たちはどのような成長を遂げたのでしょうか。学生たちから寄せられた体験記をご覧ください。
9月10日、成田空港には、大きなスーツケースを引きながら、みな集合時刻よりずいぶん前に来ていました。国際線には独特の雰囲気があり、これから始まる海外旅行にワクワクしながら、パスポートや航空券を確認しながらお互いに緊張感を隠せずにいました。
夜もすっかり更けた22時30分頃、私たちはスペイン、マドリードに向けて出発しました。日本からスペインまでの直行便はなく、エミレーツ航空を利用して中東のアラブ首長国連邦ドバイ首長国の中心都市であるドバイを経由してのフライトです。今回参加した学生の多くが初めての海外渡航であり、みんな興奮し離陸前からソワソワとしていました。日本からドバイ、ドバイからスペインに向けてのフライトで2回ずつ機内食が出てきました。日本から離れていくにつれ、食事もお米からパンに変わったり、シナモンなどのスパイスが含まれた食事になったりなど海外に来ているのだなという感覚になっていきました。
現地に到着し、あたりを見回すと、そこは目にするもの全てが新鮮で、ここから8日間のスクーリングがどうなっていくのか心躍らせていました。
ホテルは空港から1時間電車に乗った郊外の場所にありました。最寄り駅Estación de Pinar de Las Rozasから15分ほど歩いて着いた3階建てのホテル内は、どこもきれいで新しく、一階には無料で水やジュースを飲める場所があり、とても便利でした。また、ホテルのスタッフはとても優しい方でした。朝食はビュッフェでスペインならではの食べ物がたくさんあり満足いく滞在ができました。
ホテルにチェックインしてからスペインで初めて買い物をしました。近くの大型スーパーマーケットでこの日の夕食の買い出しをしました。日本とは、商品だけでなく、カートや、買い方の全てが違っていました!私が特に驚いたのは、レジで働いている方たちが椅子に座って仕事をしていたことです。「楽しく、働きやすく」という考え方は日本も学ぶべきだと感じました。ホテルに戻り小林先生のお部屋でご飯を食べました。小林先生おすすめのスペイン食材をみんなで食べましたが、どれも美味しく、本場の生ハム(Jamón)は日本とは味が違い、驚きました。私は初日で緊張もしていてみんなとはまだそこまでたくさんは話せませんでした。
3日目は最寄りのピナール駅から2つ目のマハダオンダ駅までスペインの国鉄「レンフェ(Renfe)」に乗り、20分ほど歩いてマドリッド日本人学校へ行きました。マドリーード日本人学校は、スペイン駐在の学齢子女を教育することを目的に作られた学校で、マドリーードの北西約15㎞の地に、広大な敷地と中世の貴族の館を改修して建てられています。駐在員の子女だけでなく外国人籍の児童生徒も半数ほど在籍しており、日本から派遣された教員と現地の教員がきめの細かい教育活動に取り組んでいます。マドリッド日本人学校では、まず小学校1・2年生の生活科の授業に加わりました。子供たちがお気に入りの場所を案内してくれたので、他学年の授業を参観するとともに、日本人学校での生活の様子を直接知ることができました。
特に私はマドリッド日本人学校の校内の掲示物や教材を見て驚きました。すべて日本と同じ教材を使い、言語も日本語で、まるで日本の学校を訪れたようでした。子供たちは主に日本語を使い、楽しくコミュニケーションを通して授業を行っていたのが印象的です。
授業後は小谷校長先生の講話をお聞きしました。印象に残ったことは、いじめがなくどの児童もやる気に満ち溢れている子供ばかりだということです。私が教員になることができたら、そのような学級を作りたいと考えていたので、とても参考になりました。将来は日本で教員になることだけを夢見てきましたが、今回の訪問で視野が広がり、日本だけではなく海外でも、先生としてチャレンジしてみたい気持ちが湧きました。
マドリード自治大学は、ヨーロッパからアジア・アメリカ圏まで世界中から留学生が集まる国際的な公立大学です。キャンパスは大学都市として設計され、1/3を占める緑地とともにキャンパス全体がひとつの町として完結しています。日本人学校からは路線バスを利用して行く予定でしたが、30分待っても予定通りのバスが来ませんでした。そのため急遽電車を利用して移動することになりました。再び鉄道に乗り、途中乗り換えてマドリード自治大学まで行きました。駅を降りると目の前に広いキャンパスが広がっていました。
いよいよこれから日本語を勉強中のスペイン人学生との交流です。とても不安が大きかったのですが、迎えに来てくれた大学生が、流暢な日本語を話していて、とても驚きました。緑と芝生が広がる道を歩き、案内された教室で、日本語を学ぶ同世代のスペイン人学生達と交流をしました。授業の途中から参加させてもらい、日本のお土産を渡すとみんな喜んでくれました。日本語、英語、スペイン語を駆使して、アニメや音楽、日本やスペインのことをたくさん伝え合いました。一緒に写真を撮ったりアドレスを交換したりして、友達をつくることもできました。あっという間に時間が経ち、交流後に日本語の先生である鈴木先生と大学内の食堂でランチをしました。現地で食べたかった本場のパエリアpaellaを食べられてよかったです。ちなみにスペイン語ではパエジャと発音するそうです。
ランチの後、もう一度大学生達と芝生に座って語り合っていると、通りがかりの大学生も関心があるのか団欒の輪に入ろうと声をかけてきました。日本にはないオープンな雰囲気が感じられました。彼らが日本に来る際には連絡をくれる約束をしたので、そのときにはたくさん案内してあげようと思います。
3大メガバンクの一つである三菱UFJ銀行は、欧州、中近東、アフリカに29の海外拠点を保有しており、スペインには唯一、マドリードに支店があります。帰宅するマドリード自治大学の学生と一緒に電車と地下鉄を乗り継いで、マドリードの中心部にあるビジネス街に向かいました。電車の時間などで到着が遅れてしまいましたが、支店長である米山さんは笑顔で私たちを迎えてくださいました。日本企業が海外でどのようなことをしているのか、米山さんが勤務したアメリカ、ブラジル、スペインでの実経験や、私たち大学生に伝えたい思いなどを率直に話してくださり、心に響きました。また、海外で自分のやりたいことにしっかりと向き合っているお話を聞いて、とても刺激を受けました。もともと私は「海外で働くのはこわいこと」というイメージをずっと持っていましたが、それよりも勉強になったり、新しい考え方が広がったりするものだと感じるようになり、俄然興味が湧いてきました。ここに来なければ決して抱くことのない思いでした。
講話後、米山さんとバルで会食を行いました。色々なスペイン料理がテーブルに運ばれて、どの料理も美味しく食べやすかったです。スペインは夜8時頃から食事をする習慣のため、帰宅時間が遅くなってしまいました。
ここまでの3日間、異国の地での初めての体験に戸惑いながらも、学生たちは順応し始め、さまざまな学びを得ています。次回の記事では、スペイン滞在の後半に入る4日目以降の充実した日々をお届けします。引き続き、現地での挑戦やさらなる成長の様子をお楽しみください。
今後の記事もどうぞお見逃しなく!近日中に続編をアップいたしますので、どうぞご期待ください。