- スクールソーシャルワーカーは、子どもだけでなく、保護者や教職員を支え、子どもを取り巻く環境全体に働きかける専門職である。
- 子どもと直接関わる方法と保護者などを通して生活環境を整える方法を使い分け、一人一人の最善の利益を考えて支援する。
- 学校、教育委員会、地域、関係機関をつなぎ、幅広い知識と専門性を生かして問題の解決を支えている。
- 教員が問題を一人で抱え込まず、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーと情報を共有し、連携することが大切である。
- 将来は、多くの人と協力しながら、すべての子どもが安心して学校生活を送り、自分らしく成長できる環境を整えたいと考えた。
20秒でわかるこの記事のポイント
「教育の視野を広げる」の第10回は、千葉市の学校でスクールソーシャルワーカーをされている、岡﨑 圭子さん、前田 見穂さん、松元 麻美さんをゲストにお迎えして、日常の活動やこれからの学校の課題について、お話をうかがいました。前回のスクールカウンセラーの先生と同様に、学生が教員になったら、すぐに連携の必要が迫られる可能性がある方々です。具体的な事例についても、いつ自分が遭遇するかもしれない、ということから、学生にとってはとても貴重な学びの機会となりました。
(教育学部長 伊坂淳一)

受講した学生のことば―子どもを支えるために、学校と専門職がつながる
スクールソーシャルワーカーの視野はとても広い
今回、私たちはスクールソーシャルワーカーの岡﨑 圭子さん、前田 見穂さん、松元 麻美さん(写真右から)の3名の方からお話をうかがいました。スクールソーシャルワーカーの主な職務内容は、問題を抱えた児童生徒が置かれた周囲の環境への働きかけや、関係機関とのネットワークの調整、また、子どもだけでなく、保護者、教職員に対する支援、相談、情報提供など多岐にわたるそうです。
私には特に問題の抱える子どもたちとの関わり方についてのお話がとても印象的でした。子どもだけではなく、保護者とも自分の子どもとどう接したらいいかなどを話し合い、寄り添い、よりよい方向に向かうようにしていくということです。子どもの問題を根本から解決するための関わり方をしているというところが、とても意味があると感じました。また、その関わり方にも、子どもと話したり、遊んだりなど、コミュニケーションをとりながら進めるという直接的な関わり方と、保護者などを通して、ふだんの生活を改善していくという間接的な関わり方があり、その子にとって最善の利益になるように関わり方を変えているというのです。一人一人の個性を尊重しているという点が、とても印象的でした。
これまで私は、スクールソーシャルワーカーは悩みを抱える子どもの相談にのる仕事というイメージを持っていましたが、実際には子ども本人だけでなく、保護者や教職員、学校、地域、関係機関など、多くの人と連携しながら支援を行っているということを知りました。また、子どもを取り巻く環境全体に働きかけることも重要で、一人の子どもを支えるためには、様々な人との協力が欠かせないということを学びました。

なんといっても連携が大切
千葉市では2013年からスクールソーシャルワーカーが配置され、現在では各区に2名ほどが配置されているということです。担当する学校は小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校など多岐にわたり、少ない人数で多くの学校を支援しているために、一人のスクールソーシャルワーカーが、幅広い知識と高い専門性を持って活動しているということが分かりました。また、千葉市教育委員会の教育支援課とは、常に各ケースについて情報共有を行うことで、様々な問題に対して柔軟に対応することができるという点も印象に残りました。
学校ごとの教育方針や地域の特色などの情報を事前に把握した上で、子どもと関わることは、何も情報がなく、模索しながら子どもと接するよりもより適切な支援をすることができるようになる大きな利点であると感じました。

将来の自分にとって
私は将来、小学校の教員を目指しています。小学校の教員になれば、必ず今回、お話をうかがった不登校になってしまった子どもたちと関わる機会があると思います。自分一人だけで問題を抱え込むのではなく、チーム(学校)として教師全員で、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどの専門職の方々と情報共有をしたり、連携をしたりすることの重要性をあらためて感じました。子どもたちすべてが安心して学校生活を送り、自分らしく成長できる環境を整えていくためには、多くの人が協力し合うことが大切だということを学びました。
