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ライフプランと資産形成を考える
ー厚生労働省が財形貯蓄について学生と意見交換ー

経済学部 経営学科 高木ゼミ(2・3年)合同

2022/12/21

経営学科 高木朋代教授のゼミでは、人材マネジメントや社会調査について学んでいます。12月13日(火)に2・3年生の合同ゼミを行い、ライフプランについて考える授業が行われました。厚生労働省や独立行政法人 勤労者退職金共済機構、ならびにファイナンシャルプランナーの方々をお招きし、これからの人生設計や、資産形成をテーマとした授業が行われました。

 

よりよい人生を歩むためにはいくら必要?「ライフプランとお金」

初めに、パーソナルファイナンス教育インストラクターの黒田尚子氏から、これからの人生をよりよく過ごすためのライフプランの立て方・考え方を教えていただきました。

 

学生たちはライフステージごとのライフイベント表を見ながら、人生の主なライフイベント(就職・結婚・保険加入・出産・家の購入)についてどのように計画しているのかを考えました。イベント毎にかかる資金を計算し、どのような支出があるのかを知ります。

 

給与明細票の見方やお金の使い方についても考えました。日々の消費行動を分析してみると、「ラテ・マネー」と呼ばれる少額な出費の積み重ねが浪費につながっているケースがあることがわかり、「消費」「浪費」「投資」のバランスを取ることや、計画的な貯蓄の大切さを学びました。

1級ファイナンシャルプランニング技能士の資格を持つ黒田氏

  • ライフイベントでかかるお金について考える学生たち

  • 社会に出ると思ったよりもお金がかかります

お金に振り回されない人生を歩むためには、「金融リテラシー(認知能力)」と「金融コンピテンシー(非認知能力)」、それらを利活用するための「金融ケイパビリティ」が必要となるそうです。これら3つの知識・能力は、社会に出たあとにより良いライフプランを設計するための心強い味方となります。

「教育・住宅・老後」に備える資産形成

続いて、厚生労働省 雇用環境・均等局 勤労者生活課から、資産形成について詳しくお話をいただきました。

 

まず、我が国の金融政策や家計をめぐる現状の説明があり、共働き世帯の推移や初婚年齢、出産年齢の推移などの様々な統計データが示されました。

 

我が国では共働き世帯が増加しています。初婚年齢や出産年齢の平均は上昇傾向にあり、定年制度を見直す企業も増えています。人生の3大費用と言われる「教育・住宅・老後」に備え、計画的に資産を形成する必要性は今後ますます高まりそうです。

 

資産形成の種類には、給与天引きの財形制度や、今話題のiDeCoやNISAなどがあります。その違いやメリット・デメリットを紹介いただき、自分のライフプランに合った備えをすることの大切さを学びました。

厚生労働省の和田氏

財形制度の周知広報について学生と意見交換

終わりに、独立行政法人 勤労者退職金共済機構も加わり、「大学生をはじめとした若い世代に、財形制度を広く周知広報するにはどうすればよいか?」といったテーマで学生たちと意見交換が行われました。学生たちからは普段利用するメディアについて様々な意見が出ました。特にYouTubeは普段から視聴している学生も多く、実体験に基づいた意見が複数ありました。これらの意見が財形制度の周知・普及に役立つことが期待されます。

  • 独立行政法人 勤労者退職金共済機構の田中氏

  • YouTubeでの広報については様々な意見がありました

 

厚生労働省の労働政策審議会 勤労者生活分科会の委員を務める高木教授は、「ライフプランやお金について、大学生のうちに学ぶことの重要性を知ってほしいです。学生のうちに具体的なライフプランを立てておくために必要な知識が身につく機会を、これからも提供していきたいです」と話しました。学生の皆さんにとっては、資産形成への理解を深める良い機会になったのではないでしょうか。

高木朋代教授