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キラリ☆経営学科教員vol.3

経済学部 経営学科 藪内 正樹 教授

2020/12/24

1. 先生の経歴について教えてください

高校時代のサークルで水俣病について勉強し、支援者との交流会で歌って踊る患者さんたちから、悲惨な運命の中で明るさを失わない人間の強さを学びました。大学では、原発に反対しようと考えて原子力工学の道に進みましたが、好きなことをやるべきだと考えて、海外研修の機会が多いジェトロ(現在の独立行政法人日本貿易振興機構)に就職。改革開放政策に転じた中国を専門分野に選び、香港で語学研修を受け、北京、大連、上海に駐在しました。
自分でも変わった経歴だと思いますが、一貫しているのは、(自分ではなく)人が健康で明るく元気に人生を送れる世の中を作りたいという思いです。こうした経歴から、授業では①中国ビジネス論、②世界の流通産業、③医療と健康の経済学、④地域企業経営論と、経済・経営の幅広い分野を担当しています。

2. 先生が担当する「中国ビジネス論」を中心に、授業やゼミについて教えてください

私が就職した1977年から2000年頃までは「日中友好」が正しい時代だったと思います。しかし、日本の金融財政政策が失敗し続け、1995年以降は経済成長が停滞し、企業もチャレンジしなくなりました。21世紀に入り、アメリカの国力に陰りが見え、中国の覇権主義が次第にあからさまになりました。日本は考え方、やり方を変えなければなりませんが、日本の政官財学の大多数は、狭い自分の立場に閉じこもり続けているかのようです。こうしたことを受け、私の「中国ビジネス論」では、秦の始皇帝以来の国家の成り立ちから近年の経済成長の要因と見通し、ビジネス上のトラブル事例とリスク回避の方法など、幅広く学生に伝えています。
「医療と健康の経済学」では、医療保険財政の危機が招く医療と社会の衰退をテーマに扱います。脳外科医であり、経営者でもある北原茂実氏は持続可能な医療供給体制「八王子モデル」を立ち上げ、この問題の根本的解決を図っています。カンボジア、ベトナム、ラオスでも病院を運営し、東松島では小型複合施設を建設して、持続可能な未来型医療を創出しようとしている北原氏の理念と実践を学びます。
「世界の流通産業」では、縄文時代の黒曜石やシルクロード、大航海時代と植民地主義という交易の歴史からインターネット・プラットホームまでを追い、人間の欲求の歴史を学びます。
「地域企業経営論」では、IT化や他社・他業種との経営連携、従業員の一体感の形成などで賃上げに成功した企業の事例に学び、人生の場である地方の基礎的共同体を維持する方策を考えます。

授業ではつい話が長くなりがちですが、単に我慢して聴くのではなく、「なぜそれが重要だと思うのですか」とか「その話は2度目です」とか、学生のみなさんのツッコミをお待ちしています。ゼミにおいても時々のニュースやゼミ生の関心事をテーマに、みんなで話し、調べ、まとめようと考えています。しばしば、私がテーマを決めてしまうのですが…活発な提案や議論を期待しています。

3. 趣味は「世界と戦う日本人アスリートを観ること」と伺いました。最近の日本人アスリートはいかがですか?

今時の若い者は…リオ・オリンピックやラグビーW杯などを見ていて本当に感動し、頭が下がります。テニスの大坂なおみ選手は全米オープンで勝ち上がるたび、握手に向かう時に相手選手を敬い軽く会釈していました。夢見たセリーナ・ウィリアムス選手との決勝戦では、セリーナが主審に反抗して平常心を失い敗れたことを悲しみ、優勝インタビューでセリーナのファンに詫びた感覚は、間違いなく日本人の血だと思いました。ボクシングの井上直哉選手はモンスターであり、精密機械であり、芸術品であり、日本人の誇りです。
ラグビーW杯では、代表選手31人中15人の外国出身者が、大きく口を開けて君が代を歌っていました。彼らが君が代を歌うために歌詞の意味のレクチャーを受け、合宿地の近くの神社で「さざれ石」を見学したと聞いて腑に落ちました。日本の歴史を理解し、文化を大切に思い、仲間のために献身する人はみんな仲間であると。
縄文人たちは水稲を携えた渡来人と通婚して弥生人になったし、古墳時代にも仏教や文字、律令制を渡来人とともに受け入れ、戦争より国譲りで統一国家になりました。江戸末期には、欧米の文明を取り入れて、日本はアジアで最も早く近代化を遂げました。その後、欧米の帝国主義と肩を並べようと考えて誤りを犯しましたが、それ以外は、自分より相手を立てる文化を持ち、いつも新しい文明とそれをもたらす人を受容してきたのが日本人です。
これからも、日本に住む外国人には、日本の歴史・文化・習慣・マナーを理解・尊重し、同時に自分の故郷の歴史・文化を大切に思い、それを日本に紹介してほしいと思います。もちろん日本人が先に実行すべきことは言うまでもありません。

4. 敬愛大学を目指す受験生へメッセージをお願いします

どんなに素晴らしい偉人の言葉、名著でも、鵜呑みにせず、自分で動き、感じ、考える人間になって欲しいと思います。場の空気を読むことは大切ですが、空気しか読まない人間になってはなりません。皆さんの親の世代はあまり言わなくなりましたが、戦前生まれの世代がしょっちゅう言っていたこと、「人の役に立つ人間になりなさい」「卑怯な真似をしてはいけない」「人をいじめてはならない」「嘘をついてはいけない(お天道様が見ているよ)」という言葉を噛み締め、次の世代へ伝えていって欲しいと思います。

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